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Facebookは空からネットを提供する夢を諦めていない


ソーラーパワーで高高度を飛行し空からモバイルネットワークを提供するドローンの開発を中止したFacebookでしたが、航空機メーカーのAirbusとともに、ドローンを使ったネット回線提供事業を開発していることを示す文書が公開されました。辺境の地にネットを空から提供するという計画を、Facebookは諦めてはいないようです。

Facebook and Airbus hold secretive drone tests in the Australian bush – netzpolitik.org
https://netzpolitik.org/2019/facebook-and-airbus-hold-secretive-drone-tests-in-the-australian-bush/

Facebookはインターネットに接続できない地域にネット回線を提供するべく、太陽光発電を利用して成層圏を飛び続け、空中からネットワークを提供するドローン「Aquila」を長年開発してきました。しかし、2018年6月に、FacebookはAquilaの開発を中止すると発表しました。

Facebookは空からネットで世界をつなげるWi-Fiドローン「Aquila(アキラ)」の独自開発を中止 - GIGAZINE


Wi-Fiドローンを独自開発することを断念したFacebookでしたが、空から辺境の地にインターネットを届けるというHAPS計画自体を捨て去ることはなく、Airbusなどドローンを開発するメーカーとの提携を模索しているとみられていました。

そんな中、デジタル技術の自由に取り組むドイツメディアのNetzpolitikが、FacebookとAirbusがWi-Fiドローンの提供に向けて共同でオーストラリアでドローン飛行実験を行うことを示す49ページにわたる文書を入手して公開しました。

Released under Freedom of Information
(PDFファイル)https://cdn.netzpolitik.org/wp-upload/2019/01/Facebook-Airbus-Zephyr-Test-Wyndham-Australia-Meeting-documents-FOI.pdf


この計画ではAirbusの開発する高度20キロメートルを飛行するドローン「Zephyr」を使って、ミリ波の無線によって地上と通信することでインターネットを空から計画する実験のため、オーストラリア西部のウィンダム飛行場を試験地としてテスト飛行する計画が打ち出され、2018年3月から9月までの間にAirbusはオーストラリアの航空安全局CASAと18回も交渉を重ねたとされています。

テストに採用された可能性が高いのはZephyrのモデルS。2018年に26日間の連続飛行という記録を打ち立てています。

Airbus Zephyr S maiden flight launch - 11 July 2018 - YouTube


テスト飛行は2018年11月と12月に計画されていましたが、それが実際に行われたかどうかはわかっていません。Netzpolitikに対してFacebookとAirbusは詳細な情報の提供を断ったそうです。

インターネットに接続できない人は世界に38億人いると試算されており、FacebookやGoogleはそれらの地域を開拓しようと積極的な活動を行っています。FacebookはAirbusと共同で「ドローン」を使って空からのネット提供を狙っているのに対して、GoogleはProject Loonで「気球」を使っておりアプローチは異なりますが、ハイテク巨人たちは、インターネット未開の地の開拓をに向けて着々と準備を進めているようです。

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in ネットサービス,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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