Googleのドローンを使ったインターネット通信計画が中止に
自動運転車やGoogle Glassなど、革新的なプロジェクトを扱ってきたGoogleの研究機関「Google X」は、Googleの親会社となるAlphabetが誕生してから名称を「X」に変更しました。そのX内で進められていた、太陽光で自動飛行し続けるドローンを基地局にして5G通信を実現する秘密計画「Project SkyBender」が中止になったことが明らかになりました。
Google shuts down Project Titan drone program - Business Insider
http://www.businessinsider.com/google-shuts-down-project-titan-drone-program-2017-1
自動飛行するドローンを用いた通信網の構築を目指したProject SkyBenderがどんなプロジェクトだったのかは以下の記事を読むとわかります。
Googleが太陽光で自動飛行し続けるドローンを基地局にして5G通信を実現する秘密計画「Project SkyBender」 - GIGAZINE
既存の4Gよりも最大40倍も高速な5Gモバイル通信の実現を目指した同プロジェクトですが、2017年1月に計画の中止およびプロジェクトに参加していたチームメンバーを他のプロジェクトに再編することが発表されました。Google関連のニュースを取り扱う9to5Googleが最初に同ニュースを報じており、Xの代表にBusiness Insiderが確認を取り事実であることが明らかになっています。
Project SkyBender中止のニュースは、Bloombergが「AlphabetがTerra Bellaを売りたがっている」と報じた2日後に飛び出しました。
Project SkyBenderを主導するTitanチームのメンバーは、Googleが2014年に買収したTitan Aerospaceという企業のメンバーから成ります。チームTitanは太陽エネルギーで数日間飛行可能なドローンの開発を行っており、これを使って遠隔地でもインターネットが使用できる通信サービスの構築を狙っていました。
Xの代表であるJacquelyn Miller氏はBusiness Insiderに対して「Xは代わりに高高度気球でWi-Fiを提供するProject Loonに注力するでしょう」とコメントしています。なお、Miller氏によるとProject SkyBenderは2016年内に終了したそうですが、その他の詳細についてはコメントを控えています。
Miller氏は声明の中で「TitanのメンバーがXにやってきたのは2015年の終わり頃でした。その後すぐに、高高度ドローンによるインターネットアクセスに関する調査を終えました。その結果、世界中の田舎や遠隔地(といったインターネット環境が整っていない地域)にインターネット環境を構築するには、Project Loonの方が経済的にも技術的にもはるかに有望な方法であることがわかりました。Titanチームのメンバーは、これまでの経験を活かしてProject LoonやProject Wingに参加することとなります」と、Project SkyBender中止の理由を語っています。
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