乗り物

太陽光だけをエネルギーにして世界一周を目指す「Solar Impulse 2」が再びゴールに向けてまもなく出発


化石燃料などのエネルギー源を用いず、太陽光発電パネルを使って発電しながら世界一周を目指す飛行機「Solar Impulse 2」が、トラブルが原因で駐機していたハワイからゴールに向けてまもなく再出発する予定です。

Solar Impulse Blog — Solar Impulse re-enters ‘Mission Mode’
http://blog.solarimpulse.com/post/142793978525/solar-impulse-re-enters-mission-mode

Solar Impulse 2の足跡を記すブログ「Solar Impulse Blog」は2016年4月14日、同機が「ミッションモード」に入って次の目的地への離陸の準備を開始したことを発表しました。記事作成時点にはハワイの空港に駐機しているSolar Impulse 2は、悪天候や長旅からくるトラブルを乗り越えるために整備や搭乗員の訓練が進められ、天候が安定する時期を狙って再離陸する予定が立てられてきました。


2015年5月31日に中国・南京を発って一路ハワイを目指していたSolar Impulse 2でしたが、航路の先で悪天候に遭遇することが判明。軽量な機体を持つSolar Impulse 2は悪天候の影響を受けるわけにはいかないため、悪天候を避けるべく急きょ日本の名古屋空港への緊急着陸を6月1日に実施していました。

動画:名古屋空港に急きょ着陸のソーラー機、大勢の見物客 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
http://www.afpbb.com/articles/-/3050676

翼の修理や悪天候への対応のためにおよそ1か月間に渡って名古屋に駐機していたSolar Impulse 2でしたが、2015年6月29日にハワイに向けて出発。約8000kmにも届こうかという長距離を5日5晩かけて飛ぶという過酷なフライトが待ち受けていました。

ソーラー機、ハワイに向けて名古屋を離陸 悪天候で5日遅れ 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News
http://www.afpbb.com/articles/-/3052992

そして2015年7月3日、Solar Impulse 2は117時間52分(およそ5日間)に及ぶ長時間フライトの末にハワイに無事に着陸しています。飛行距離は7212kmで、平均スピードは時速61.19kmとなっていました。

BREAKING #RTW: the first image of #Si2 above Hawaii, after 106 hours! #futureisclean http://t.co/JIj9tHK6hl pic.twitter.com/XpioLX0NOI

— SOLAR IMPULSE (@solarimpulse)


着陸時の様子は、Solar Impulse2の公式Vineアカウントでも見ることが可能です。


Solar Impulse 2は非常に長い翼を持つ飛行機で、翼面上に搭載した1万7000枚の太陽光パネルで発電した電力を使って飛行するという、外部からのエネルギー供給を必要としない自己完結型の航空機です。機体の重量は自動車1台分ほどですが、大型の旅客機に匹敵するほど長い翼長を持つ特殊な形状となっており、翼に取り付けられた4基のモーターでプロペラを回して飛ぶようになっています。


世界一周の旅は2015年3月9日の早朝、ドバイのアブダビ空港からの離陸で幕を開けました。Solar Impulse 2はドバイから東回りの航路をとり、アラビア海、インド、ミャンマー、中国、太平洋、米国、大西洋、南欧、北アフリカを経て5か月後の2015年8月にドバイに戻ってくる予定となっていました。

.@andreborschberg will follow this flight plan today in #Si2 from #AbuDhabi to #Muscat pic.twitter.com/d6lSRWIAxQ

— SOLAR IMPULSE (@solarimpulse)


ハワイに着陸したSolar Impulse 2でしたが、道中のトラブルなどにより、搭載されているバッテリーに問題があることが判明。修理のため、再び長期間にわたって空港にとどまる事態となっていました。世界一周のスタートから現在までの経緯は、以下のページでも詳しく解説されています。

ソーラー・インパルス 世界一周の旅 - SWI swissinfo.ch
http://www.swissinfo.ch/jpn/dossiers/%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BC-%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%AB%E3%82%B9

そして今回、機体の修理が完了したことと、良好な天候が得られそうな環境が整ったことから、Solar Impulse 2は「ミッションモード」に入り、再び世界一周の続きを開始するということになったというわけです。再スタートに向け、以下のムービーが公開されています。

Solar Impulse’s time in Hawaii - YouTube


今後のSolar Impulse 2のフライト状況は、以下の公式サイトから確認することが可能。FacebookやTwitter、メーリングリストなどでも情報の発信が行われることになっています。

Solar Impulse Clean Technologies to Fly Around the World
http://www.solarimpulse.com/

・つづき
太陽光だけで世界一周に挑戦中のソーラー飛行機「Solar Impulse 2」が太平洋横断に成功 - GIGAZINE

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
6日間にわたって無補給・ノンストップで飛び続けて世界最長飛行記録に挑む「Solar Impulse 2」 - GIGAZINE

太陽光発電の力で大空を自由に飛ぶ航空機や巨大全翼機の写真やムービー - GIGAZINE

Googleが太陽光で自動飛行し続けるドローンを基地局にして5G通信を実現する秘密計画「Project SkyBender」 - GIGAZINE

圧倒的に巨大な世界最大の航空機「Airlander 10」が完全組立状態で公開される - GIGAZINE

in ハードウェア,   乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.