世界のどこでもネット通信を行えるようにするFacebookのドローン「Aquila」が2度目の飛行テストに成功

インターネット接続が行えない世界の僻地でも通信を可能にすべく、Facebookは2015年に「空飛ぶWi-Fiステーション」となるドローン「Aquila」を発表しました。このAquilaが実機を使った2度目の飛行テストに成功したことをFacebookが発表しています。
Aquila's successful second flight: Another step forward in bringing the world closer together | Engineering Blog | Facebook Code | Facebook
https://code.facebook.com/posts/200887800439084/aquila-s-successful-second-flight-another-step-forward-in-bringing-the-world-closer-together/
Aquilaは、小型の旅客機「ボーイング737型機」よりも広い翼端長約42メートルという翼を持ち、翼の上に敷き詰めた太陽光パネルで発電しながら飛行し続けることが可能なドローンです。2015年に7月にFacebookによって発表「Aquila」については、以下の記事から読むことができます。
太陽光で飛び僻地でのインターネット接続を可能にするドローン「Aquila」をFacebookが発表 - GIGAZINE

そして、2016年7月、初フライトに成功。テスト飛行は6月28日の未明にアメリカ・ネバダ州にある秘密のテストサイトで実施されました。
Facebookが世界中にネットを届けるWi-Fiドローン「Aquila」の実機がついに初フライトに成功 - GIGAZINE

最新の発表によると、Facebookは2017年5月22日にフルスケールで行う2度目のAquilaの飛行テストに成功したとのこと。フライト時間は1時間46分で、離着陸も完璧に行えたそうです。
2016年に行った最初の飛行テストを行ったあと、Aquilaには多くの改善点が浮かび上がってきました。今回の飛行テストでは「主翼にスポイラーを追加することで、着陸時に空気抵抗を増やして減速し、揚力を減らしてスムーズに着陸できるようにすること」「新しいデータを集めるために何百ものセンサーを搭載すること」「オートパイロット・ソフトウェアの修正」「通信サブシステム用の新しい無線装置の搭載」「機体の仕上げをよりスムーズにする」「着陸をより成功させるために水平軸のプロペラをつけること」などを改善した状態で飛行が行われました。
これが飛行中のAquila。

後ろから見るとこんな感じ。余分な胴体を持たない全翼機となっています。

2度目のフライトの様子は以下のムービーから確認できます。
Aquila Second Flight 2017 - YouTube

Aquilaは同じ場所を飛行し地上の人々にインターネット通信を届けるものなので、旅客機のように速度が要求されるものではありません。そのため、太陽エネルギーを使って効率よく飛行することに重点を置かれており、離陸後は、時速10~15マイル(16~24km)でゆっくりと上昇していきます。

機体前面にはプロペラ。

今回のテストの目的は主にデータを集めること。バッテリーや太陽電池の大きさを最適化するには、エネルギーがどのように利用されているのかを知ることが必須であり、そのために定速度・進路・高度に着目してテストを行ったとのこと。また、Aquilaがどのように飛行の形を変えていっているのかをリアルタイムで知るために、さまざまなセンサーも搭載されたそうです。このほか、新たに取り付けられたスポイラーによって動きがどう変化するのか、角度によって無線通信の状態がどのように変化するのかが確認されました。

横から見るとこんな感じ。

ムービーの最後は着陸シーンとなっています。

基本的に自立飛行するAquilaですが、風が強い時などのために手動で着陸を行うことも可能となっています。着陸前にはクルーが風向きなどを考慮し、風上方向に着陸できるようにするプランをアップロードするとのこと。
また、新たに取り付けられたスポイラーはオートパイロットで動くもの。機体がグライドスロープ(滑走路への進入路)よりも高い位置にいることを感知するとスポイラーを開いて減速し、逆にグライドスロープよりも低い場合にはスポイラーを閉じて機速を保つことで、機体を目的の高度に収めるように自動で制御します。
着陸の数秒前になると、オートパイロットは機体前面にある回転していたプロペラが……

地面に対して横方向になるような形でロックされます。これはプロペラの破損を防ぐための仕組みなのですが、今回のフライトでは1つのプロペラだけしかロックされなかったとのこと。

約15cmの厚さに砂利を敷いた直径152メートルの円の中に着陸。着陸時、機体はやさしく地面へと触れ、そこから10メートルほどで動きを停止します。

車が砂利の上を走る音が少し響きましたが、Aquilaは完璧な着陸を行った、とFacebook。

AquilaはAquilaは非常にゆっくりとした速度で着陸するので、一般的な航空機が使うタイヤなどのランディングギア(降着装置)を有していません。これは、降着装置を省くことで機体重量を削減すること、そして脚柱を広げたときに生じる空気抵抗を削減するためです。また着陸時には砂を敷いたケブラー製パッドの上に着陸するのですが、この時、機体の中で最も重いモーターが一番最初に地面と接するように設計されているので、モーター着地後は機体の構造に大きな負担をかけることなく動きを停止させることが可能になるとのことです。
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