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Facebookが世界中にネットを届けるWi-Fiドローン「Aquila」の実機がついに初フライトに成功


全世界にいる、まだインターネットにつながっていない40億人の人にもネットを届けるためにFacebookが進めているWi-Fiドローン機「Aquila(アキラ)」のテストフライトが実施されました。小型旅客機よりも長い翼を持つという実機でのフライトは初めてのものとなっており、テストは無事に成功。今後は、実際の運用に向けた数々のテストが繰り返されることになるようです。

Aquila’s First Flight: A Big Milestone Toward Connecting Billions of People | Facebook Newsroom
http://newsroom.fb.com/news/2016/07/aquilas-first-flight-a-big-milestone-toward-connecting-billions-of-people/

Facebook takes flight | Facebook 2026
http://www.theverge.com/a/mark-zuckerberg-future-of-facebook/aquila-drone-internet

Flying Aquila: Early lessons from the first full-scale test flight and the path ahead | Engineering Blog | Facebook Code
https://code.facebook.com/posts/268598690180189/flying-aquila-early-lessons-from-the-first-full-scale-test-flight-and-the-path-ahead/

テスト飛行は2016年6月28日の未明、アメリカ・ネバダ州にある秘密のテストサイトで実施されたとのこと。クレーンに吊られ、Wi-Fiドローン「Aquila」が離陸用の台車に載せられます。


準備が完了し、離陸の時を待つAquila。カーボンファイバー製の翼を持つ無人航空機で、ソーラーパネルで得られた電力を使って3か月間ノンストップで飛行を続けることを目指して設計されています。


翼には4基のモーターとプロペラを装備。巡航時の消費電力は2キロワット程度とのことで、一般的なドライヤー3台分の電力しか消費しないという超省エネ設計。


次第に夜が明け、テストの時が近づきます。実機での初テストにはFacebookのマーク・ザッカーバーグCEOも駆けつけたとのこと。午前2時に起床してテストをじっと見守ったとのことで、現場のスタッフは非常に緊張した空気に包まれたようです。


離陸用の台車に載せられた状態で離陸を開始するAquila。機体の翼端幅は約42メートルで、これはボーイングの小型旅客機・737型機の約35メートルよりも広いもの。


フワリと宙に浮かんだAquila。機体重量はわずか400kg前後とのことで、長い翼と軽い機体で省エネ・長時間飛行を可能にするという機体です。


ブーメラン状の長い翼がよくわかるショット。搭載する主な機器はWi-Fiの送受信関係のみのため、余分な胴体を持たない「全翼機」となっている模様。


この日のフライトは30分を予定していましたが、順調に進んだためか、予定の3倍となる90分にわたってフライトを継続したとのこと。なんのトラブルもなく初フライトを済ませたとのことで、まずは順調な滑り出し。


ザッカーバーグCEOもこの表情。「計画の成功のために、何年もの時間を費やしてくれたスタッフを称えたい」とコメントしています。


Aquilaは、旅客機よりも高く、人工衛星よりも低い高度6万フィートから9万フィート(約1万8000メートル~2万7000メートル)を飛行し、空から地上にWi-Fiの電波を送ります。データは基地局との間でレーザー光を使って送受信するほか、複数のAquila間でもレーザー光による通信を行うことでメッシュネットワークを構成して広範囲にデータを届けるようになっているそうです。


日本では当たり前のように使えているインターネットですが、世界ではまだまだ未整備のエリアが多く残っています。以下の地図は携帯電話網によるネットの普及を色で示したものですが、4Gネットワークが普及しているのは日本とアメリカ、韓国と北欧の一部地域がほとんどで、その他の地域では3Gないし2G世代の通信がメイン。さらに、電波自体が届かないエリアも膨大に残されています。このような地域にWi-Fiを届けようというのが、FacebookのAquilaプロジェクトというわけです。


Aquilaは今後、数か月から数年におよぶ数々のテストを経て実用化される予定とのこと。ザッカーバーグCEOは初飛行の感想を「とにかく、成功に終わりましたね(笑)。この手のテストというのは、最初は失敗することも多いものです。現地のスタッフは、私が来るということで非常にピリピリしていました。この出来事はFacebookにとって、また、世界中をネットでつなげるという目標の上で大きなマイルストーンになったと思います。」とインタビューで語っています


Aquilaが初飛行に成功した際の様子も公開されていました。

The internet provides information, opportunity and human connection, yet less than half the world has access. We’re proud to announce the successful first test flight of Aquila, the solar airplane we designed to bring internet access to people living in remote locations. This innovative plane has the wingspan of an airliner but weighs less than a small car and flies on roughly the power of three blow dryers — incredible!

Facebookさんの投稿 2016年7月21日


◆2016/07/22 17:30追記
Facebookの日本語ページでもリリースが公開されました。

ソーラー飛行機「Aquila(アキラ)」の初飛行に成功:何十億もの人々をつなげる大きな一歩を踏み出す | Facebookニュースルーム
http://ja.newsroom.fb.com/news/2016/07/aquila_firstflight/

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