YouTubeが反ワクチン関連コンテンツを禁止に、該当する動画は削除すると発表

YouTubeが2021年9月29日付けで、ワクチンに対する誤った情報の拡散を食い止めるための試みとして、「ワクチンについての誤った情報に関するポリシー」を発表し、保健当局や世界保健機関(WHO)によって承認されたワクチンを危険だとしたりワクチンに効果はないと主張したりするコンテンツの投稿を禁止すると述べました。

ワクチンについての誤った情報に関するポリシー - YouTube ヘルプ
https://support.google.com/youtube/answer/11161123

Vaccine Misinformation Policy: YouTube Community Guidelines - YouTube


YouTube is banning Joseph Mercola and a handful of other anti-vaccine activists - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/technology/2021/09/29/youtube-ban-joseph-mercola/

YouTubeが投稿を禁じたのは、「ワクチンの安全性」「ワクチンの効果」「ワクチンの成分」について誤った情報を含むコンテンツで、違反すると見なされるコンテンツは削除されるとのこと。そして、1回削除されるとメールの通知がくるだけですが、90日以内に違反警告を3回受けるとチャンネルが停止されるスリーアウト制を採用することを明らかにしています。

YouTubeのTrust and Safety(信頼と安全)部門の責任者であるマット・ハルプリン氏は「ワクチンに関する誤情報の拡散は世界的な問題であり、新型コロナウイルスワクチンでのフェイクニュースの拡散をきっかけに問題視されるようになりました。YouTubeのモデレーターのうち、少なくとも数百人が医療関連の誤報に特化した作業を行っています。ワクチンに関する誤情報は世界的に見られ、すべての国と文化で確認できます」と述べました。

また、YouTubeが問題視しているのは新型コロナウイルスワクチンに限りません。例えば、「新三種混合ワクチンが自閉症を引き起こす」という主張は2019年にデンマークの子ども65万人を対象とした10年以上にわたる研究で否定されているにもかかわらず、研究が発表されてから2年以上経つ今もなお、YouTubeには新三種混合ワクチンの危険性を訴える動画が大量に投稿されているのが現状。YouTubeによれば、こうした動画もすべてポリシー違反になるとのこと。

ハルプリン氏は「新三種混合ワクチンが自閉症を引き起こさないという事実は科学的にはっきり示されています」と述べ、以下のような主張を含むコンテンツはすべて取り締まりの対象となると述べています。

・ワクチンが糖尿病やがんなどの慢性的な副作用を引き起こす
・ワクチンは発病のリスクを軽減しない
・胎生組織や動物由来成分など、成分表に記載されていない成分がワクチンに含まれている
・ワクチンに接種者を追跡または特定するような成分やデバイスが含まれている
・ワクチンが人の遺伝子構造を変える
・新三種混合ワクチンは自閉症を引き起こす
・インフルエンザワクチンは不妊症などの慢性的な副作用を引き起こす
・ワクチンは人口削減の陰謀の一種である
・子宮頸癌ワクチンは麻痺(まひ)などの慢性的な副作用をもたらす

さらに、YouTubeのヘルスケア・公衆衛生パートナーシップ部門責任者であるガース・グラハム氏は「YouTubeは全米医学アカデミーや一流医療機関からの公式動画を多く投稿するための活動を拡大しています。その目的は、ユーザーが反ワクチンのコンテンツに手を出す前に、科学的な情報を含む動画を目にしてもらうことです」と述べました。