Anthropicの営業責任者が業務にClaudeをどのように活用しているのかを解説

AI企業のAnthropicでアメリカのミッドマーケット向け営業・市場開拓を担当するトラヴィス・ブライアント氏が、AIエージェント「Claude Cowork」を使って営業業務をどのように進めているのかをClaude公式ブログで解説しています。
How an Anthropic sales leader uses Claude Cowork to run a 4,000-account book | Claude
https://claude.com/blog/how-an-anthropic-sales-leader-uses-claude-cowork-to-run-a-4-000-account-book

ミッドマーケットとは、スタートアップより規模が大きく、大企業には達していない企業層を指します。ブライアント氏が担当する顧客は4000件に及び、技術系企業と、金融・医療・小売・製造などの産業分野に分かれているとのこと。
ブライアント氏によると、営業責任者の仕事は「チームの時間をどこに投資するか」「四半期の見通しを経営陣にどう伝えるか」といった判断を下すことです。しかし実際には、複数の情報源からデータを集めたり、数字が更新されるたびに基準値を引き直したりする作業に多くの時間を取られていたそうです。
こうした作業を減らすため、ブライアント氏はデータの収集や整形をClaude Coworkに任せるようになりました。Claude CoworkはClaude Codeをベースに開発されたPC操作用のAIエージェントで、ユーザーがアクセス権を与えたフォルダ内でファイルの閲覧・編集・作成・移動などを実行できます。Claude Coworkの基本的な機能については以下の記事で取り上げています。
PC操作AI「Cowork」をAnthropicが発表、ファイルの作成から削除まで自動で実行可能 - GIGAZINE

ブライアント氏の業務は「毎日の顧客との会議の準備」「毎週の営業予測レポート」「四半期ごとの担当範囲や見込み顧客リスト作成」という3つの流れに分かれています。日々の業務では、Claude Coworkに毎朝Googleカレンダーを確認してもらい、社外の人との会議に会議室が設定されていなければ、自動で会議室が予約されるようにしているとのこと。さらに、顧客との会議の前にはBigQueryから支出データを取得し、Salesforceから商談の進捗状況を取り込み、会議の事前資料を作成してもらっているそうです。こうした細かな効率化によって約90分相当の時間を節約できているとブライアント氏はアピールしています。
また、毎週金曜日にはClaude Coworkが営業予測レポートを作成します。まず、Claude CoworkはSalesforceのForecastタブから商談記録や提出済みの売上見通しを取得し、BigQueryからトークン使用量を取得。社内文書から関連する情報を集めます。次にそれらの情報をもとに、全体の指標や主要な商談、見通しが良くなっている項目と悪くなっている項目、各営業マネージャーから集めた予測などをまとめて1ページのレポートを作成。このレポートは翌週月曜日に行われる営業予測会議の前に社内に共有されるとのこと。ブライアント氏は、この金曜のレポート作成で週に約3時間を節約できていると説明しています。

ブライアント氏がClaude Coworkを活用した最大のプロジェクトは、ミッドマーケット全体の顧客に点数を付け、営業担当者が「どの企業から優先してアプローチするか」を判断できるようにするという作業でした。営業担当者ごとに担当する企業群があり、各顧客にはその担当範囲の中で優先順位を決めるためのスコアを付ける必要があります。Claude Coworkを導入する前の環境では複数の部署を巻き込んで合計数百時間をかけてスコア付けをしていました。
このスコア付け作業をClaude Coworkで行うため、ブライアント氏はClaudeと一緒に技術系企業向けと産業分野向けの2種類の評価基準を作りました。技術系企業向けには「Claudeのエージェント機能を使える場面がどれくらいありそうか」「社内業務を変える余地があるか」「AI導入にどれくらい積極的か」「既存の支出と比べて追加の売上余地があるか」「業界との相性がよいか」という5項目を設定。一方、金融・医療・小売・製造などの産業分野向けには、「知識や情報を扱う業務を中心とするナレッジワーカーの割合」や、「公開求人ページでAIへの取り組みがどれくらい言及されているか」などを評価基準にしました。ブライアント氏は「法律事務所ではナレッジワーカーの割合が高くなりやすい一方、製造業では現場で働く従業員が多いため低くなりやすい」と説明しています。
Claude Coworkに4000件の顧客リストと評価基準を入力した結果、Claude Coworkは「顧客を1件ずつ調べてウェブ上の情報やSalesforceのデータ、BigQueryのデータをもとにスコア付けを実施し、そのスコアを付けた理由を書き出す」という作業を一晩で終えてしまいました。
さらに、ブライアント氏はスコア付けの結果からインタラクティブなダッシュボードを作るようClaude Coworkに依頼しました。ダッシュボードでは営業担当者が自分の担当範囲を選ぶと、担当している顧客がスコアの高い順に表示されるとのこと。各顧客には評価項目ごとの根拠が付いており、顧客名にマウスオーバーすると見込み客への提案に使えそうなユースケースや比較可能な事例まで表示されるそうです。

ブライアント氏はClaudeに採点項目を伝えて一部の担当範囲で試し、出力を確認して「この評価項目の重みが少し大きいので下げるべきだと思う」といった調整を加えながら、他の担当範囲にも広げていきました。
このスコア付けと同じ要領で、市場全体にどれくらいの売上機会があるかの規模推計や顧客の調査、報酬水準の比較調査などにもClaude Coworkは活用できるとのこと。ブライアント氏は「Claude Coworkによって営業責任者としての時間を取り戻し、戦略や顧客関係の仕事に時間を使えるようになった」と説明しています。
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in AI, Posted by log1b_ok
You can read the machine translated English article Anthropic's sales manager explains h….







