無認可運営の仮想通貨取引所が約11億円の罰金を支払って証券取引委員会と和解へ

アメリカの証券取引委員会(SEC)が、「未登録のオンラインデジタル資産取引所を運営した」という容疑をかけられていたデジタル資産証券のオンライン取引プラットフォームのPoloniexがおよそ1000万ドル(約11億円)の罰金を支払うことに合意したと発表しました。

SEC.gov | SEC Charges Poloniex for Operating Unregistered Digital Asset Exchange
https://www.sec.gov/news/press-release/2021-147

Poloniexは2014年に立ち上げられた仮想通貨取引所で、2018年に4億ドル(約440億円)でオンライン決済プラットフォームを運営するCircleに買収されました。そして、Circleは2020年7月にニューヨーク証券取引所への上場を発表し、特別買収目的会社であるConcord Acquisitionとの合併を発表していました。

SECの調査によれば、Poloniexは2017年7月から2019年11月までの間、証券取引法で定義されている「証券取引所」の基準を満たしていたにもかかわらず、証券取引所として登録せず、投資家相手に仮想通貨や有価証券の取引を提供していたとのこと。

Poloniexは2021年5月にも、カナダのオンタリオ証券委員会(OSC)から「未登録の取引プラットフォームを運営している」と指摘され、オンタリオ州の証券取引法を順守するように申し立てを受けていました。

SEC執行部のサイバーユニット主任であるクリスティーナ・リットマン氏は「Poloniexは未登録の取引所にデジタル資産の証券を含めることで、連邦証券法の順守よりも利益の拡大を選びました。Poloniexは、証券の売り手と買い手を結び付ける市場に適用されるSECの規制を回避しようとしていました」と述べています。

PoloniexはSECの調査結果を認めることも否定することもなく、取引プラットフォームの停止命令に応じ、848万4313ドル(約9億3600万円)の不正利得、40万3995ドル(約4500万円)の判決前利息、さらに150万ドル(約1億6500万円)の罰金を加えた計1038万8309ドル(約11億5000億円)を支払うことに合意しました。支払われた罰金で、被害者救済のための基金が設立されるとSECは述べています。