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仮想通貨取引所のBinanceが証券取引委員会から訴えられる、「未登録で仮想通貨を販売した」などの疑い

by Web Summit

アメリカ証券取引委員会(SEC)が、世界最大の仮想通貨取引所を運営するBinanceとその創業者であるチャンポン・ジャオCEOを起訴しました。SECは、Binanceがアメリカの規制を逃れて不当に利益を得たと主張しています。

comp-pr2023-101.pdf
(PDFファイル)https://www.sec.gov/files/litigation/complaints/2023/comp-pr2023-101.pdf

SEC.gov | SEC Files 13 Charges Against Binance Entities and Founder Changpeng Zhao
https://www.sec.gov/news/press-release/2023-101


SEC sues Binance and CEO Changpeng Zhao for U.S. securities violations
https://www.cnbc.com/2023/06/05/sec-sues-binance-and-ceo-changpeng-zhao-for-us-securities-violations.html

SEC Complaint Aims to Unilaterally Define Crypto Market Structure | Binance Blog
https://www.binance.com/en/blog/ecosystem/sec-complaint-aims-to-unilaterally-define-crypto-market-structure-8707489117122437402

Binanceは複数の関連会社を抱えていますが、今回の告訴の対象となったのは親会社のBinance Holdings(Binance)、Binance Holdingsが運営する仮想通貨取引所のBinance.com、アメリカに拠点を置く関連会社のBAM Trading Services、Binance HoldingsとBAM Trading Servicesが共同で運営するアメリカの仮想通貨取引所のBinance.USです。

Binance.comは、公にはアメリカに居住するユーザーとは取引していないと主張していますが、SECなどの調べによると、Binanceは一部のアメリカ人ユーザーに対して便宜をはかり、Binance.comで取引できるように誘導していたとのこと。


この問題についてはアメリカ商品先物取引委員会(CFTC)などが同じ見解を示しており、2023年3月にはCFTCが連邦裁判所に対し告訴状を提出しています。

Binanceとチャンポン・ジャオCEOが違法な取引の疑いでアメリカの規制当局から起訴される - GIGAZINE

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今回の訴訟でSECは合計13件の告訴を行っていますが、SECが主張する主要な問題点は以下の4点です。

◆1:Binanceがアメリカで取引所として登録されていなかったこと
SECによると、Binanceは少なくとも2017年7月から仮想通貨の取引所、あるいはブローカー、ディーラーとして活動していたにもかかわらず、正式な登録が行われていなかったとのこと。SECは関連会社のうちBinance.comを取引所・ブローカーまたはディーラー・清算機関として登録し、Binance.USを取引所・清算機関として登録すべきだったと主張。Binanceが2018年6月から2021年7月にかけて116億ドル(約1兆6200億円)の収益を不正に稼いだとみなしています。

◆2:未登録で仮想通貨の提供および販売を行ったこと
SECは、Binanceが「バイナンスコイン(BNB)などの仮想通貨を未登録で提供・販売したとの疑いをかけています。加えて、BAM TradingがBinance.USを通じてステーキング・アズ・ア・サービスプログラムを未登録で販売したうえ、このプログラムでアメリカのユーザーがステーキングした資産をBinanceが密かに管理しているとも指摘しています。


◆3:アメリカ人投資家がBinance.comにアクセスすることを制限しなかったこと
Binanceは「Binance.USはアメリカ国内で独立して運用されている」とうたっており、アメリカ人ユーザーがアクセスできるのはBinance.USだけでBinance.comにはアクセスできないと主張していました。こうすることでアメリカの連邦証券法の適用対象をBinance.USだけに絞っていたのですが、SECの主張によると、実際は多くのアメリカ人ユーザーがBinance.comにアクセスしており、Binanceがそれを手助けしていたとのことです。

SECによると、ジャオCEOはアメリカ人の富裕層が規制を回避するための計画を立て、VPNサービスを利用してユーザーの身元を隠すような行動指針を記した文書を作成していたとのこと。同様の問題に関しては、以前ロイターが「Binanceは財務情報や本拠地を隠している」と報じ、CNBCは「Binanceの従業員がBinanceのKYCを回避する方法を中国人ユーザーに伝えていた」と伝えており、規制当局はBinanceに対し強い懸念を示しています。

◆4:投資家の誤解を招いたこと
SECの訴状によると、BAM TradingはBinance.USの仮想通貨取引における不正を検出・防止するための監視システムを設けていましたが、システムの存在やシステムが適切であるかどうかについて、ユーザーに誤解を与えていたとのこと。

今回の訴訟を受け、Binanceは「遺憾に思う」との声明を発表。「当初から私たちはSECの調査に積極的に協力し、彼らの質問に答え、彼らの懸念に対処するために懸命に働いてきました。しかし、私たちの努力にもかかわらず、SECは今日の訴状でそのプロセスを放棄し、代わりに一方的に行動して訴訟を起こすことを選択しました。私たちはこの選択に落胆しています」と公式ブログにつづり、法が許す限り全力で戦う用意があると強く反発しました。

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in Posted by log1p_kr

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