メモ

「仮想通貨取引のブローカーに全ユーザーの個人情報の提出を義務づける可能性のある草案」がアメリカで提出される


ジョー・バイデン大統領が提出したインフラストラクチャに関する草案に仮想通貨についての記述が盛り込まれ、解釈によっては「仮想通貨の取引に関わるソフトウェア開発者までもが個人情報を政府に報告する義務がある」とも読めるということが報じられています。

The Cryptocurrency Surveillance Provision Buried in the Infrastructure Bill is a Disaster for Digital Privacy | Electronic Frontier Foundation
https://www.eff.org/deeplinks/2021/08/cryptocurrency-surveillance-provision-buried-infrastructure-bill-disaster-digital


バイデン大統領の草案には、1986年に成立した内国歳入法の一部に記述された「ブローカー」の定義を拡大して、「他人に代わって、責任を持って定期的にデジタル資産の転送サービスに従事する人物」も含むよう記述されているとのこと。ブローカーに当たる人物は内国歳入庁に全ユーザーの名前と住所を含む税の申告書を届け出る必要があります。


しかし、デジタルプライバシーを保護する団体「EFF」などは、この「ブローカー」の定義が広く、仮想通貨のシステムに携わる全ての人が当てはまりかねないと警告しています。これにはユーザーに代わって仮想通貨を取引するサービスを運営している人物はもちろん、サービスに関するソフトウェアの開発者なども含まれるとのこと。EEFは「これは、仮想通貨に関係する全ての企業が突然ユーザーを監視する義務を突きつけられたようなものだ」と述べています。

EEFによると、この草案が仮想通貨の取引にも適用された場合、ソフトウェア開発者などに面倒な監視システムを実装させたり、サービス停止を強制したりできるほか、悪意のある攻撃者の目を引く仮想通貨プラットフォームに個人情報という新たなエサをまくことになったり、法律が複雑化することで国内企業が海外に流出したりといった問題が発生する可能性があるとのこと。


EEFは「バイデン政権は仮想通貨コミュニティをより厳密に監視することによって税を管理し、280億ドル(約3兆円)とも言われる仮想通貨取引での税収入を得ようとしている。基本的にこの草案は膨大な数の仮想通貨取引を行うユーザーが租税回避を行っていることを前提としている」と述べました。また、匿名取引を前提とする仮想通貨取引に不確実性が生まれかねない点も指摘しました。

EEFは「単にコードを書いて公開するだけの人物に法律が適用されるべきではなく、また仮想通貨取引に関わるユーザーのプライバシーを保護するものであるべきだ。消費者に利益をもたらす技術革新に水をさしてはならない」と述べました。

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in Posted by log1p_kr

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