ネットサービス

トランプ大統領のネットミームを投稿したら学校銃撃予告と解釈され逮捕された男性が1億円の和解金を獲得


テネシー州に住む男性がドナルド・トランプ大統領の発言を引用するミームをFacebookに投稿したところ、そのミームは過去の銃乱射事件に言及した発言が元となっていたことが原因で、「銃乱射事件を予告した」として逮捕されました。男性は言論に対する憲法上の権利を侵害されたとして保安官と捜査官およびテネシー州ペリー郡に対し連邦民事訴訟を起こしたところ、訴訟を取り下げる代わりに83万5000ドル(約1億3000万円)の和解金を受け取ることが決定しました。

VICTORY! Tennessee man jailed 37 days for Trump meme wins $835,000 settlement after First Amendment lawsuit | The Foundation for Individual Rights and Expression
https://www.fire.org/news/victory-tennessee-man-jailed-37-days-trump-meme-wins-835000-settlement-after-first-amendment


Tennessee man jailed over Charlie Kirk post wins $835,000 settlement | Tennessee | The Guardian
https://www.theguardian.com/us-news/2026/may/20/settlement-man-jailed-charlie-kirk-post

2025年9月にアメリカ保守派の政治活動家が銃撃され死亡する「チャーリー・カーク銃撃事件」が発生しました。カーク氏の死去はトランプ大統領のSNSで発表され、トランプ大統領はカーク氏に大統領自由勲章を授与すると発表した上で追悼しました。2025年9月21日には、トランプ大統領、主要閣僚、イーロン・マスクなどが出席し数万人が集まった追悼式典も行われました。

テネシー州ペリー郡でも追悼集会が呼びかけられており、これに対しテネシー州レキシントン在住のラリー・ブシャート氏は、トランプ大統領の発言を元にしたミームをFacebookに投稿しました。以下の画像は2024年1月にアイオワ州ペリーにあるペリー高校で発生した「ペリー高校銃撃事件」の後にトランプ大統領が「私たちはそれを乗り越えなければならない」と発言したことが切り取られたもので、銃乱射事件への反応として冷淡すぎるという批判を受け、ネット上では「深刻な事件が発生したのに冷酷な反応をする」といった意味でミーム化されていました。ブシャート氏はこのミーム画像と合わせて「これは今日にも当てはまるようだ」と投稿しており、追悼集会に対して批判的な意見を述べていたとみられます。


このブシャート氏が投稿した画像はネット上でしばしば用いられるミーム画像を編集なく引用したもので、「ペリー高校銃撃事件」というフレーズが記載されています。しかし、これがアイオワ州ペリーで起きた事件ではなく、「テネシー州ペリー郡の学校で銃撃事件を予告しているように解釈される」として、テネシー州のニック・ウィームズ保安官がブシャート氏を起訴しました。

ウィームズ保安官によると、ブシャート氏の投稿についてアイオワ州ペリーの銃撃事件に言及したミームであることを逮捕当時に知っていたとのこと。しかし、ブシャート氏が在住するテネシー州ペリー郡の一部の住民が「ペリー高校の銃撃事件」というフレーズで「架空の事件があった」と解釈する可能性があり、地域に恐怖を与えたとして、投稿の削除に応じなかったことなどからブシャート氏の逮捕を決定しました。


ブシャート氏は地元裁判官が設定した200万ドル(約3億円)の保釈金を支払うことができなかったため、世論の批判を受けた当局から解放されるまで37日間拘留されました。逮捕時に61歳だったブシャート氏は拘留中に職を失い、結婚記念日や孫の誕生にも立ち会えなかったと語りました。

そこで2025年12月に、ブシャート氏は個人の権利と表現のための財団(FIRE)とPhillips & Phillips法律事務所の代理のもと、逮捕を敢行したウィームズ保安官と逮捕状を取得したジェイソン・モロー捜査官、およびテネシー州ペリー郡を相手取り、保護された言論に対する憲法上の権利を侵害されたとして連邦民事訴訟を起こしました。

結果として、ブシャート氏が訴訟を取り下げる代わりに83万5000ドル(約1億3000万円)を受け取ることで合意したと両当事者が発表しました。ブシャート氏は「私の憲法修正第1条に基づく権利が認められたことを嬉しく思います。市民が自由に意見を交わす権利は、健全な民主主義にとって不可欠です。これからは新たな生活を始め、家族と過ごす時間を楽しみにしています」と述べています。


FIREのアダム・スタインボー上級弁護士は「当局がそのメッセージに同意できないというだけの理由で、無害なミームを理由に夜中に刑務所に連行されるべき人は誰もいません。ブシャート氏がこの不当な扱いに対して補償を受けたことは喜ばしいですが、そもそも地元の法執行機関が彼にこのような苦難を強いるべきではありませんでした」とコメントしました。

なお、チャーリー・カーク銃撃事件は政治的な面をはじめとしたさまざまな論争を巻き起こしており、ロイターの調査では、事件から2カ月で600人以上がチャーリー・カーク銃撃事件に関するSNS上の発言を理由に解雇、停職、調査などの処分を受けたことが明らかになっています。ブシャート氏の事例は刑事訴追につながったまれな事例として注目されており、FIREのキャリー・デイビス弁護士は「今回の和解が全国の法執行機関にメッセージを送ることを願っています。つまり、今日憲法修正第1条を尊重するか、明日その代償を払う覚悟をするか、ということです」と語っています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
スマホにハゲたアメリカ副大統領J・D・ヴァンスのミーム画像を保存していた観光客がアメリカ入国を拒否される - GIGAZINE

18歳の少女が「ダンスをSNSで公開した」ことで逮捕される事態に - GIGAZINE

悲惨な事故を起こした「デーモン・コア」が日本でミーム化しているのを海外の人はどう受け止めているのか? - GIGAZINE

ニューヨークの交通局が「ノーマスク・鼻出しマスク・鼻だけマスクOK」のイラストを発信し炎上、めでたくミーム化してしまう - GIGAZINE

インターネット黎明期に大流行したミーム「All Your Base」とは? - GIGAZINE

in ネットサービス, Posted by log1e_dh

You can read the machine translated English article A man who was arrested after posting a m….