IKEAの家具の組み立てを手伝ってくれるロボットが爆誕
北欧の家具メーカー・IKEAの大型家具は、購入者自らが組み立てを行うことで比較的安価に提供されることで知られています。しかし、素人でも簡単に組み立てできるように設計されているものの、設計図とにらめっこしながら多くのパーツを組み立てるのは非常に労力を要するもの。そんなIKEAの家具の組み立てを手伝ってくれるロボットが、南カリフォルニア大学ヴィタビ工科校で開発されました。
Need help building IKEA furniture? This robot learns your preferences and lends a hand. - USC Viterbi | School of Engineering
https://viterbischool.usc.edu/news/2021/06/need-help-building-ikea-furniture-this-robot-learns-your-preferences-and-lends-a-hand/
実際にどんな感じで手伝ってくれるのかを、以下のムービーで確認できます。
Need help building IKEA furniture? This robot learns your preferences and lends a hand. - YouTube
黒い服を着た女性がIKEAの本棚を組み立てています。その様子をじっと見守るロボット。
側板を組み立て終わったところでロボットは部品が置いてある方を向き……
次に使う部品をつかんで、そっと女性に差し出します。
女性が再び組み立て始めると、ロボットは次に必要になる部品をすでに選び始めます。
どんどん必要な部品を女性に渡していくロボット。
このロボットの特徴は、組み立てている人間を観察して、人間の好みを学習するというところ。ロボットはあらかじめ、20人が本棚を組み立てた映像を分析し、その行動パターンを学習た上で、「目の前の人が次にどの部分を組み立てたいか」を予測し、部品を渡してくれます。
IKEAの家具を組み立てるロボットは、すでに2018年に発表されていました。2018年に発表されたロボットはIKEAのイスを全自動で組み立ててくれましたが、今回のロボットは「人間とロボットのコラボレーション」をテーマに開発されました。
重たい部品を運んだり選別したりという作業はロボットが得意とするところですが小さなネジを締めたり部品を細かく調整しながら組み合わせたりといった面倒で繊細な作業は人間の方が向いています。そして、人間は行動にさまざまな順序を設定するため、この順序をロボットが学習して予測することで、家具の組み立てを手伝うことが可能になっているというわけです。
研究チームは、この技術が将来的に食事の支援や準備など、介護支援ロボットに応用できるとしています。
また、研究チームの一員であるステファノス・ニコライディス氏は「人間がロボットに必要なものを口頭で伝えることもできますが、それは効率的ではありません。私たちは、ロボットがいくつかの事前知識に基づいて、人間が何を望んでいるのかを推測できるようにしたいと考えています」とコメントしました。
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