レーザー照射で1時間10万本の雑草を破壊する自律型農業ロボット「The Autonomous Weeder」
農作物を育てるにあたって大きな課題が「雑草除去にかかるコスト」です。雑草は農作物から栄養を奪ったり、害虫のリスクを増加させたりする可能性があるため取り除かなければなりませんが、化学的な除草剤は農作物にダメージを与えることもあります。そこで、AIによって雑草をピンポイントで識別して炭酸ガスレーザーを照射することで土や農作物のダメージ与えず、自律的に除草作業を行ってくれるロボット「The Autonomous Weeder」が開発されました。
Carbon Robotics Disrupts Farming Industry with Autonomous Weeders | Business Wire
https://www.businesswire.com/news/home/20210413005415/en/Carbon-Robotics-Disrupts-Farming-Industry-with-Autonomous-Weeders
Farming Robot Kills 100,000 Weeds per Hour With Lasers | Freethink
https://www.freethink.com/articles/farming-robot
The Autonomous Weederの全貌は以下のムービーから見ることが可能です。
The Autonomous Weeder - Eliminates Weeds with Lasers - YouTube
農家にとって雑草は大きな問題で、人を雇って除草するとコストがかさみ、かといって化学的な除草剤を使うと農作物や土にダメージを与える可能性があります。また農家にとって労働力不足も課題として立ちはだかっています。
この問題を解決する自律型ロボットがThe Autonomous Weederです。
The Autonomous Weederは雑草を識別し、ピンポイントで炭酸ガスレーザーを照射することで除草をするもの。以下の画像でも、車体下部からレーザーが照射されていることがわかります。
The Autonomous Weederには車体の前方・後方・直下を映し出すカメラが搭載されており、遠隔から状況を確認することが可能です。
特に本体直下には12台のカメラが設置されており、地面をスキャンしてAIが搭載された車載コンピューターが雑草を識別します。
実際にレーザーが照射された後、雑草が燃えている様子も捉えられていました。
人の力を必要としないので、昼でも夜でも作業可能。
The Autonomous Weederは1時間あたり10万本を超える雑草を除去でき、1日に作業できる範囲は15~20エーカー(約6万1000~8万1000平方メートル)ほど。なお、人間が1日に除草できる面積は4000平方メートル程度となっています。
1列作業が終わるごとに自動的に安全な場所でターンし、次の列へと向かいます。
The Autonomous Weederは化学物質を使わない除草を可能にするものであり、ワシントン州農業局(WSDA)による「オーガニック」の認証を得ています。
The Autonomous Weederの価格は公開されていませんが、リースでの利用も可能とのこと。ただし2021年モデルはすでに完売しており、2022年の予約注文を受け付けているとのことです。
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