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プライバシー保護を重視する検索エンジン「DuckDuckGo」が急成長、過去1年間でアプリダウンロード数が5000万件を突破


インターネット検索エンジンのDuckDuckGoはユーザープライバシーの保護に重点を置いていることから、ユーザー情報を積極的に活用し検索結果をパーソナライズするGoogle検索などの代替として存在感を放っています。現地時間の2021年6月16日、DuckDuckGoが「過去12カ月間で5000万件以上もDuckDuckGoアプリがダウンロードされ、検索トラフィックが55%増加し、アメリカ・カナダ・オーストラリア・オランダなどで第2位のモバイル検索エンジンになりました」と報告しました。


Millions Choose Simple Privacy Protection with DuckDuckGo
https://spreadprivacy.com/duckduckgrowing/

DuckDuckGoは公式ブログの中で、これまではプライバシー懐疑論者による「人々はプライバシーを気にするものの、プライバシー保護のために何もしない」という指摘があったと述べています。しかし、Appleが2021年4月にリリースしたiOS 14.5でアプリによる広告目的のユーザー追跡が拒否できるようになったことを受け、ほとんどのユーザーが追跡を拒否していることが明らかとなりました。この動きについてDuckDuckGoは、「シンプルで犠牲を払わない方法を作成すると、ほとんどの人がプライバシーを選択します」と述べています。

そして、「DuckDuckGoはオンラインプライバシーの『簡単に選べる選択肢』です」と述べ、DuckDuckGoの公式アプリが過去12カ月間で5000万回を超えるダウンロード数を記録したと報告しました。5000万回というダウンロード数は、これ以前の全ダウンロード数を上回る数値だとのこと。


DuckDuckGoアプリの使用量増加に拍車がかかった結果、2021年1月には1日あたりの検索クエリが1億件の大台を突破。過去12カ月間では1カ月あたりの検索トラフィックが55%も増加し、アメリカ・カナダ・オーストラリア・オランダを含む複数の国でDuckDuckGoがGoogle検索に次ぐ第2位のモバイル検索エンジンに成長しました。

縦軸がDuckDuckGoで行われた1カ月あたりの検索数、横軸が年を表している以下のグラフを見ると、近年は急激に検索数が増加していることが一目でわかります。なお、DuckDuckGoはユーザー追跡を行っていないため正確なユーザー数を算出することはできないものの、推定される市場シェアやダウンロード数、全国調査の結果などに基づくと、ユーザーは全世界で7000万~1億人ほどいるとみられるとのこと。


DuckDuckGoは自身の強みについて、追跡ブロッキング最上位のHTTPS接続対応といったDuckDuckGoの重要なプライバシー機能を、1つのアプリや拡張機能をダウンロードするだけで導入できる点だと主張。導入時に複雑な設定が不要なため、ユーザーは無料かつデフォルトで、オールインワンの「プライバシーセット」をアクティブにすることが可能だと述べました。

今後もDuckDuckGoは追加のプライバシー機能を展開する予定であり、数週間以内に「DuckDuckGo Email Protection」という電子メールの保護機能をベータ版で提供するとのこと。また、2021年夏の後半には、Androidデバイスでアプリ追跡のブロックを行う機能がベータ版で利用可能になるほか、2021年末までにデスクトップ版のブラウザアプリをリリースすることも予定しているそうです。

なお、DuckDuckGoは2014年から継続的に収益を上げており、記事作成時点では年間収益が1億ドル(約110億円)を超えていると述べています。2020年末には新規および既存の投資家から1億ドルを超える二次投資を調達することに成功したとのことです。

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in ネットサービス, Posted by log1h_ik

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