一体なぜ「体幹」の強さが必要なのか?どうすれば体幹を維持できるのか?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックでリモートワークに移行したり外出の頻度が減ったりしたことで、多くの人々がパンデミック前よりも座りがちな生活を送っています。そんな生活によって健康に生きる上で重要な「体幹」の筋肉が衰えてしまう人も多いとのことで、一体なぜ体幹が重要なのか、どうすれば体幹を維持できるのかをオーストラリア・フェデレーション大学でスポーツ科学の上級講師を務めるアンドリュー・ラベンダー氏が解説しています。
Core strength: why is it important and how do you maintain it?
https://theconversation.com/core-strength-why-is-it-important-and-how-do-you-maintain-it-160358
体幹とは胴体を構成し、背骨や骨盤を取り囲む筋肉から構成されています。これには腹筋など体の前面にある筋肉だけでなく、背中の下部や脇腹など、普段はあまり意識しない部分の筋肉も含まれています。
日常的に体幹を意識して生活する人は多くないかもしれませんが、体幹は背骨や骨盤を安定させる上で重要な役割を果たしており、よい姿勢を維持するための鍵だとのこと。また、体幹の機能は手足の動きにも影響するほか、体幹が弱い人は背中などをケガする可能性が高くなってしまうとラベンダー氏は指摘しています。
体幹が必要なのはランニング・ジャンプ・タックル・ウエイトリフティングといった運動に加え、椅子から立ちあがる・立つ・歩く・物を持ち上げる・掃除機をかけるといった日常的な動作も含まれます。他の筋肉と同様に体幹は使わなければ衰えてしまうため、動きが鈍くなって他の部分に負担がかかったり、体幹が弱った結果として腰痛になったりします。また、膝の痛みも体幹が弱いことを示すサインだそうで、過去の研究では理学療法と体幹のトレーニングを組み合わせることで、膝の痛みが大きく軽減されることがわかっているとのこと。
しばらく運動をしておらず、膝や腰の痛みがある場合は「体幹の筋肉が弱くなっている」ことを示す体からのサインだとラベンダー氏は指摘。その上で、「よいニュースは運動で体幹の強さを改善できることです」と述べ、アスリートでなくても体幹が弱っている人はトレーニングに取り組んだ方がよいと主張しています。
ラベンダー氏が体幹を鍛えるために推奨するトレーニングが以下の通り。
・クランチやシットアップ
学校の運動能力測定などでおなじみの腹筋運動(クランチ)や、足を浮かせて膝を90度曲げた状態で体を丸めるシットアップは、主に腹筋として知られる腹直筋を鍛える上で有効です。
・プランクやサイドプランク
足を伸ばした状態でうつぶせになり、腕を肩幅程度に開いて上半身だけ起こすプランクは、腹筋をはじめとする体幹を鍛える効果的な運動です。横向きでプランクを行うサイドプランクや、通常のプランクから片脚を上げるワンレッグプランクなど、ちょっとした工夫で負荷を上げることも可能だとラベンダー氏は述べています。
また、これらの運動をバランスボールや半円形のBOSUバランスボールといった不安定なものの上で行うことは、滑りやすい路面で足を踏ん張るのと似た効果をもたらし、運動の負荷をより高めてくれるとのことです。
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