腹筋運動が腰痛のもとになっているというデータ多数で海兵隊も体力テストから腹筋を除外
by Edson Hong
「腹筋運動(上体起こし)」はオーソドックスな体力テストには必ず含まれていますが、以前から腰痛の原因になる可能性が指摘されていました。アメリカ軍も長らく体力テストに上体起こしを取り入れてきましたが、兵士の腰痛発症率に対する指摘があったこともあり、正式に体力テストからの上体起こし除外が決定しました。
FORTHCOMING CHANGE TO THE PHYSICAL FITNESS TEST (PFT) > The Official United States Marine Corps Public Website > Marines.mil - MARADMINS
https://www.marines.mil/News/Messages/MARADMINS/Article/1869148/forthcoming-change-to-the-physical-fitness-test-pft/
上体起こしの代わりに導入されるのは、足を腰と同じ幅に開いて手をつき規定の姿勢を保つ「プランク」で、2020年1月1日(水)以降に海兵隊新兵訓練所に送られる新兵のテストから実施されます。
Did lower back injuries drive the commandant’s decision on planks?
https://www.marinecorpstimes.com/news/your-marine-corps/2019/06/11/did-lower-back-injuries-drive-the-commandants-decision-on-planks/
海兵隊関連のニュースを扱うMarineCorpsTimesによると、変革のきっかけは海兵隊総司令官のロバート・ネラー大将が2018年5月にノース・カロライナ州のキャンプ・ルジューンにある3Dレーダー大隊の訓練施設を訪問したことだとみられています。
このときネラー大将は、大隊の理学療法士であるエミリー・シュミット氏から、上体起こしがキャンプ・ルジューン全体で発生している腰痛の原因であるという証拠を見せられ、体力テストで上体起こしの代わりにプランクを導入するよう勧められたとのこと。
MarineCorpsTimesでは、この会合ののちにネラー大将宛てに送られたという白書を入手したとのこと。白書では、上体起こし型の運動は「適切なコアマッスルの発達に寄与しない」「脊椎を曲げた状態にあると腕や足の力の生成能力が低下することが実証されている」と指摘されており、「上体起こしは体力測定に役立っていないだけではなく、高い腰痛発生率に寄与している可能性がある」と書かれていたそうです。
by Jon Pearsall
実際、キャンプ・ルジューンの隊員たちのうち91%は上体起こしのスコアが満点で、一方、プランクだと満点を取れたのはわずか13%であり、上体起こしはコアマッスルの強度を的確に測定できていなかった、と白書は結論づけていたとのこと。
この影響があったのかどうかは公式にははっきりしていないものの、上体起こしが体力テストの科目から省かれたのは事実。体を鍛えていて腰痛がちだという人は、上体起こしではなくプランクに切り替えた方がよいかもしれません。
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