Googleが「写真を撮るだけでAIが皮膚病をチェックしてくれるウェブアプリ」を開発
Googleによれば、肌や爪、髪の問題に関連して年に毎年約100億件の検索が行われているとのことで、その背景には専門医の数が世界的に不足していることが指摘されています。また、皮膚の問題は言葉で検索するのは難しいという問題もあります。そこでGoogleが、肌に何が起こっているのかを簡単に把握できる「ウェブベースの皮膚画像判断ツール」を開発したと発表しました。
Using AI to help find answers to common skin conditions
https://blog.google/technology/health/ai-dermatology-preview-io-2021/
Google announces health tool to identify skin conditions - The Verge
https://www.theverge.com/2021/5/18/22440754/google-health-ai-skin-condition-model-dermatology
「機械学習による皮膚の画像診断」についての研究は今回が初めてではなく、スタンフォード大学の研究チームが皮膚の画像から皮膚がんかどうかを識別するアルゴリズムを2017年に発表しています。
皮膚がんを人間に頼らず画像だけで識別することが可能に - GIGAZINE
今回発表された皮膚画像判断ツールについての論文はGoogleの開発チームによって発表され、2020年5月に学術誌のNatureに掲載されました。論文によれば、皮膚病を評価するためのAIシステムは、アメリカの認定皮膚科医と同等の精度を達成できることが示されたとのこと。また、専門医以外の医師がAIを利用することで、より高い精度で皮膚が診断できるようになるという結果も報告されています。
このウェブアプリを使うためには、スマートフォンのカメラを使って肌や髪、爪をさまざまな角度から3枚撮影する必要があります。
次に肌のタイプ、問題が発生した日にちなど、さまざまな質問に答えることで、AIモデルが症状を分析し、信頼性の高い情報を表示するとのこと。ただし、あくまでも臨床医による専門的な診断が望ましいということで、ツールが診断を提供したり医学的アドバイスを行ったりはしないそうです。
Googleによれば、皮膚画像判断ツールが年齢・性別・人種・肌の色でも機能するように、およそ6万5000枚の画像と診断された皮膚の症例データ、数百万枚の皮膚の症例画像と数千人分のデータを使ってAIを学習させたとのこと。その結果、Googleの皮膚画像判断ツールは(PDF)EU医療機器規則で「Class I機器」に認定され、CEマークをつけることが認められたとGoogleは報告しています。
なお、Googleによれば、この皮膚画像判断ツールは2021年後半に試験的にリリースされる予定です。
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in ソフトウェア, ウェブアプリ, サイエンス, Posted by log1i_yk
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