サイエンス

心拍数測定可能なウェアラブル端末があれば85%という驚きの精度で糖尿病が検出可能という研究結果


AppleがApple Watchで糖尿病治療に革新をもたらすために社内に秘密の研究チームを立ち上げたと報じられていましたが、最新の研究が、心拍数の測定が可能なウェアラブル端末があれば、85%という高精度で糖尿病を検出できることを示しています。

Ordinary wearables can flag signs of diabetes, according to new Cardiogram study
https://app.upbeatpr.com/stories/cardiogram/cardiogram-android-4-2/

Apple Watch detects diabetes with 85% accuracy | Cult of Mac
https://www.cultofmac.com/527743/apple-watch-detects-diabetes-85-accuracy/

アメリカでは1億人以上の成人が糖尿病や糖尿病予備軍であると言われていますが、糖尿病患者の4分の1は自身が糖尿病であることに気付いておらず、糖尿病予備軍にいたっては88.4%がそれを自覚していないそうです。多くの人々がより早く糖尿病であるか否かを判断できるように、医学界では数十年にわたって皮膚内に器具を挿入する必要のない非侵襲的な方法で血中のグルコース濃度を測定する方法を開発しようと取り組んでいます。

記事作成時点では非侵襲的な方法で血中のグルコース濃度を測定し、糖尿病であるかどうかを検査する方法は確立されていませんが、新しく発表された研究では、Apple Watchのような心拍数を測定可能なウェアラブル端末とディープニューラルネットワークを組み合わせることで、着用者に糖尿病の早期兆候がないかを驚くべき精度で調べられることが示されています。


ウェアラブル端末とニューラルネットワークを組み合わせることで糖尿病を検出することに成功したのは、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究チーム。研究チームがサンプルとして使用したのは、Apple WatchおよびAndroid Wear向けに提供されている心拍数記録アプリ「Cardiogram」のユーザー1万4011人分のデータ。また、ディープニューラルネットワークの「DeepHeart」に糖尿病患者の健康データがどのようなものかを学習させるために、Cardiogramのデータとは別に3万3628人分の健康データも用いられています。

DeepHeartのようなニューラルネットワークを用いる場合、何百万件ものデータを用いて「心臓発作を起こす人の異常な心拍リズム」などを学習させる必要があるわけですが、今回の場合、どのような症状を患っているのかがわかる「3万3628人分の健康データ」と症状などは不明な「1万4011人分のデータ」を用いることで、教師なし学習と教師あり学習の両方を取り入れた学習方法が取られたそうです。

最終的にDeepHeartはデータ提供者のうち462人が糖尿病であることを検出することに成功しており、その検出精度はなんと84.51%という驚きの高精度でした。なお、DeepHeartは心拍数データがあれば使用できるので、Apple WatchではなくてもAndroid WearやFitbitsなど、心拍数の測定が可能なウェアラブル端末ならば、かなりの精度で糖尿病を検出できるようになります。

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in モバイル,   ハードウェア,   サイエンス, Posted by logu_ii

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