アート

正面から見る際と鏡に映ったものとでは屋根の形が異なる錯視作品「変身するガレージ屋根」


明治大学で研究特別教授として働く杉原厚吉氏が、錯視を用いて正面から見た際と鏡で見た際とでは屋根の形が異なって見える「変身するガレージ屋根」という作品を発表しました。

"Ambiguous Objects" that change their appearances in a mirror - Kokichi Sugihara's Homepage (Japanese)
http://www.isc.meiji.ac.jp/~kokichis/ambiguousc/ambiguouscylindere.html

通常、鏡に映っても物体の形状は変化しません。しかし、杉原氏は屋根の形状が見る角度によって異なるような錯視作品を作成し、自身のブログ上で公開しています。

以下が杉原氏が発表した「変身するガレージ屋根」。正面から見ると丸みを帯びた屋根なのですが、鏡に映った後ろからのアングルだと、屋根はジグザグな形状になっています。


「変身するガレージ屋根」の実際の屋根の形状がどんな風になっているのかは、以下のムービーを見ると一発で分かります。

Ambiguous Garage Roof - YouTube


「変身するガレージ屋根」は正面から見ると丸みを帯びた屋根ですが、後ろから見るとジグザグ状の屋根になっています。


屋根が置かれたベースを回転させると、屋根の形状はかなりいびつなものになっていることがわかります。


鏡に何かしらの細工が施されているというわけではなく、特定の角度からだと「丸みを帯びた屋根」に、別の角度からは「ジグザグ形状の屋根」に見えるというわけ。


屋根を持ち上げて逆さにするとこんな感じ。屋根はアンバランスなM字型になっていたのがわかります。


この理由は、人間の脳は屋根の端(赤線部分)中心から垂直に伸びる平らな切り口になっていると理解したがるため。


この特性を利用して、屋根の端部分をジグザグにカットすることで、特定の角度から「丸みを帯びた屋根」や「ジグザグ形状の屋根」に見えるように作られているわけ。


なお、「変身するガレージ屋根」は2015年のBest Illusion of the Year Contest2位を獲得しています。

「変身するガレージ屋根」で利用した特性を用いて、正面から見た像と鏡に映った後ろから見た像を変えた錯視作品が複数公開されています。


見る角度によって断面の形状が変わってくる円柱の錯視「Ambiguous Cylinder Illusion」は、2016年のBest Illusion of the Year Contestで2位を獲得しており、3Dプリンターで実際に出力するためのSTL形式のデータが公開されています。

Ambiguous Cylinder Illusion - YouTube


円柱の錯視の場合、円柱に対して左45度の角度から見下ろすと断面が円に、右45度の角度から見下ろすと断面がひし形に見えるように設計されています。


そのため、1つの視点から両方の断面が見えるようにするには、鏡を少し下に傾けて配置する必要がある点には注意が必要です。

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in 動画,   アート, Posted by logu_ii

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