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日本人の数学者が手品を使いながら数学を解説するムービーが公開中


時枝正さんはもともとフランスの古典学者だったにも関わらず、突如数学の世界に足を踏み入れ、数学者としてケンブリッジ大学トリニティ・カレッジの数学主任も務めたという異色の経歴の持ち主です。時枝さんは、数学を身近に感じながら楽しく学ぶために、手品やおもちゃを使いながら数学をわかりやすく解説するムービーを、Numberphileのチャンネルで公開しています。一例として以下のムービーでは、紙とコースターを使った手品を用いた解説がなされています。

Round Peg in a Square Hole - Numberphile - YouTube


時枝さんがカメラに見せているのは、ごく普通の丸いコースターです。


そして中央に正方形型に穴を空けた1枚の紙も用意されています。並べると正方形の対角線はコースターの直径よりも小さいことがよく分かります。


どうやってもコースターがこの穴を通り抜けることはできないように思われますが、時枝さんが紙を折り畳み……


穴にコースターを通そうとすると……


なぜかコースターが穴を通り抜けてしまいました。


改めて折り畳んだ紙を開いて、コースターと穴を比べてみますが、破れて広がっている様子もなく、穴は以前と同じようにコースターよりも小さいままです。


どうしてこんな不思議なことが可能なのでしょうか?


まずはこの紙を単純に2つ折りをして確かめてみます。この場合、穴になっている正方形の対角線が最も距離のある隙間になります。


しかし先述の通り、コースターの直径は対角線よりも大きいため、コースターが穴を通り抜けることは不可能というのは見て明らかです。


そこで、平面を寄り合わせるようにして、紙を立体的に折り畳みます。


すると、平面だった紙が立体となるのに合わせて、辺同士の角度が開いていきます。


最終的に、2辺が一直線になりました。


穴の形が変わったことで大きさも変化し、コースターが通り抜けられるようになってたというわけです。


正方形の一辺の長さをAとすると、対角線は(A×√2)となります。一方で正方形が直線になるとその長さは(A×2)になります。この手品のからくりは、紙に開けられた正方形の穴の大きさにあります。


コースターが穴を通ることができないように見せるために、まずは正方形の対角線の長さ(A×√2)がコースターの直径よりも小さくなるように穴を切り抜く必要があります。


しかし、紙を立体的に折り畳んで正方形を直線にすると、穴は正方形の2辺分の長さとなります。この時にコースターを通せるようにするために、2辺分の長さ(A×2)はコースターの直径よりも大きくする必要もあります。コースターの直径をRとおいた場合、「(A×√2) < R」「(A×2) > R」という2つの条件をクリアするように穴を開けることが手品のタネというわけです。


時枝さんは他にもさまざまなムービーをアップロードしているので、気になる人はNumberphileにアップロードされている時枝さんのムービーリストをチェックしてみるのもアリです。

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in サイエンス,   動画, Posted by log1i_yk