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YouTubeが「違反した動画の視聴率」を示す新指標「VVR」を発表


YouTubeが、ポリシーに違反した動画がYouTube上でどれだけ視聴されているのかを示す指標「Violative View Rate(VVR、違反動画の視聴率)」を発表しました。YouTubeは、VVRが低下の傾向にあることから「YouTubeの動画は改善されつつある」と主張しています。

Violative View Rate
https://blog.youtube/inside-youtube/building-greater-transparency-and-accountability/

YouTube shares how many people watch problematic videos before they’re removed - The Verge
https://www.theverge.com/2021/4/6/22368505/youtube-violative-view-rate-transparency-stat

YouTubeは、YouTubeのコミュニティガイドラインにVVRという指標を新しく追加したと述べています。このVVRは四半期ごとに計測され、透明性レポートの一部として明らかにされるとのこと。

VVRは、YouTube上で公開されている動画から選出されたサンプルを、コンテンツレビュー担当者がYouTubeのポリシーに違反しているかどうかを判断し、それぞれの動画の視聴回数を計測することで算出されます。ただし、ポリシーが変更されたことで動画が違反しているかどうかが変わってしまうため、タイミングによってVVRは多少上下してしまうとのこと。

以下が2017年第4四半期から2020年第4四半期にかけてのVVRの推移を表わしたグラフで、3年にわたってVVRが減少していることが示されています。


YouTubeによれば、違反したコンテンツの取り締まりに機械学習を取り入れた直後の2017年第4四半期のVVRは0.7%前後だったのに対して、2020年第4四半期(10月~12月)のVVRはおよそ0.16%にまで下がったとのこと。YouTubeは、2017年第4四半期と比較して7割以上もVVRが減ったのは機械学習の効果によるものだとしています。

ただし、「YouTubeの広告ガイドラインに違反していても、コミュニティガイドラインには違反していない動画」など、違反内容によっては削除されないコンテンツについては、VVRに影響を与えないとのこと。また、ルールに違反しているかどうかが曖昧なものについても考慮されていません。そのため、VVRは「YouTubeからポリシーに違反しているコンテンツが確実に排除されているかどうか」を正確に反映したものではありません。


それでも、YouTubeの1日あたりの動画視聴回数はのべ数十億回にのぼり、あまりにも膨大過ぎて全容を把握することは現実的に不可能。YouTubeは、「VVRは、有害なコンテンツが視聴者に与える影響を把握し、どこを改善すべきかを特定するための最良の方法であると信じています」と述べています。

YouTubeの「信頼と安全」部門責任者であるジェニファー・オコナー氏は「VVRはYouTubeの有害な動画からユーザーを守るために、YouTubeが説明責任を果たし、作業の進展をわかりやすく示してくれるものです」とコメントしました。

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in ネットサービス, Posted by log1i_yk

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