YouTubeがContent IDを用いた著作権管理のポリシー変更を発表
by geralt
YouTubeでは「Content ID」という仕組みにより、コンテンツ所有者のファイルとYouTubeにアップロードされた動画の中身を比較し、著作権で保護された素材が使用されていないかをチェックしています。今回変更があったのは、事前にコンテンツ所有者がファイルをアップしておらず、あとから手動で申し立てを行う場合のルールで、非常に短いファイルを用いて他人の動画の収益を得ることが不可となりました。
YouTube Creator Blog: Updates to our manual Content ID claiming policies
https://youtube-creators.googleblog.com/2019/08/updates-to-manual-claiming-policies.html
YouTube limits manual copyright claims of brief or unintentional music - The Verge
https://www.theverge.com/2019/8/15/20806189/youtube-manual-music-copyright-claim-update-more-blocked-videos
「Content ID」は、正規のコンテンツ所有者がYouTubeにアップロードされた動画の素材の再利用を認めた場合に、収益の分配を得られるという、コンテンツ所有者にとってありがたい仕組みです。クリエイターにとっても、意図した楽曲に対して申し立てがあった場合に、一律で「著作権侵害なのでブロック・削除」となるのではなく、コンテンツ所有者の認めを得て動画が残されることになるので、助かる仕組みです。
ところが、この仕組みを悪用して、非常に短いファイルを用いて申し立てを行い、クリエイターから収益を奪おうとする事例が登場。クリエイター側からすれば、意図した楽曲であればともかく、まったく意図しないごく一部だけが引っかかるようなファイルで申し立てをされてしまうという、非常に困った状態になっていました。
YouTubeでは、2019年7月に手動申し立てシステムを「該当する動画のどの部分でコンテンツが使われているのかタイムスタンプを要求する」形に変更。Creator Studioの編集ツールで、タイムスタンプを使用して動画から申し立てのあったコンテンツ部分を除去し、自動的に申し立てを解除して収益化を復元できるようにしました。
今回のポリシー変更は、これに加えて、非常に短いファイルでクリエイターの動画に対する収益化(コンテンツ所有者が収益を受け取るオプションの選択)を禁止するもの。ただし、手動申し立ての場合のみで、自動申し立ては適用外です。
この変更は著作権者とクリエイターとのバランスを考えた上のものだとのことで、長期的にはクリエイターにとっても助かる変更となるはずですが、短期的には完全にブロックされる動画が増加する可能性があるとYouTubeは警告しています。
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in ネットサービス, Posted by logc_nt
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