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ノイズを流すだけのムービーに著作権侵害の申し立てが続出、一体なぜなのか?


ノイズの一種である「ホワイトノイズ」を自作してムービーとしてYouTube上で公開したところ、「著作権を侵害している」と複数の著作権者に指摘されたと男性が明かしています。

Musician's White Noise YouTube Video Hit With Copyright Complaints - TorrentFreak
https://torrentfreak.com/musicians-white-noise-youtube-video-hit-with-copyright-complaints-180105/


オーストラリアにある大学の音楽科に勤めるセバスティアン・トムクザック氏は、著作権侵害のないコンテンツを自身のYouTubeアカウント上で公開しています。

「私はオーストラリアにある大学の音楽科で学生に教えており、チップチューンに関する論文で博士号を取得しています。私の主な研究分野は音楽・音・テクノロジーに関するものです」「私は10年ほど前に音楽についてのブログを始めました。ブログでは主に私が関心を抱いていることや、研究していることについて書いてきました。音楽コントローラーのデザインやサウンドデザインなど、さまざまな音楽関連のコンテンツを投稿しています」と、自身のインターネット上での活動について説明するトムクザック氏。

そんなトムクザック氏がYouTube上で公開したムービーのひとつが、なぜか5件もの著作権侵害に関する申し立て通知を受け取っています。トムクザック氏は自身のTwitter上で「僕の10時間のホワイトノイズムービーが5件の著作権侵害通知を受けた!」とツイート。

My ten hour white noise video now has five copyright claims! :) pic.twitter.com/dX9PCM1qGx

— Sebastian Tomczak (@littlescale)


著作権侵害の通知を受けたのは以下のムービー。低レベルのホワイトノイズが延々と10時間も流れるだけのムービーです。

10 Hours of Low Level White Noise - YouTube


「ホワイトノイズのムービーは、私がオンライン上で公開しているムービーの中のひとつで、さまざまな種類の連続的な音を聴くことに興味があったため作ったものです。この種の音を長時間聴くことで起きる効果について興味があったため公開しています」と語っています。実際、ホワイトノイズは睡眠導入の役に立つとする人もいれば、環境音から耳を反らして作業に集中するためのBGMとして使う人もいるそうです。


「私は自分でこのムービーを作成し、アップロードしました。これは10時間のノイズ波形を、フリーソフトのAudacityと組み込みのノイズジェネレーターで音声ファイルにしたものです。作成された10時間分のオーディオファイルをScreenFlowにインポートし、テキストを追加して10時間のムービーファイルに変換しています」と、ムービーの作成方法についても説明してくれています。

トムクザック氏が自作のホワイトノイズのムービーをアップロードしたのは2015年7月のことで、それ以降、合計5件の著作権侵害による申し立て通知が寄せられています。なお、著作権侵害による申し立て通知は、異なる4つの著作権者から送られているそうです。


通常、トムクザック氏のアカウントが著作権を侵害しているとYouTubeが判断した場合、アカウントは停止されます。しかし、今回のケースでは著作権者がYouTubeのContent IDを利用し、著作権侵害によりムービーを削除するのではなく、ムービーを収益化することを選択しているそうです。つまり、トムクザック氏が自分のために自作ムービーを公開したところ、「ムービーの著作権者である」と主張する人々がムービーから広告収入を得ることになってしまっているというわけ。

トムクザック氏に寄せられている著作権侵害の申し立てが、「ホワイトノイズ関連の楽曲の著作権を持つ人物からの申し立て」なのか「ウソをついてムービーの広告収入のみ盗もうとする人物による申し立て」なのかは不明。Catapultは、トムクザック氏のムービーは「Majestic Ocean Waves」というアルバムに収録されている「White Noise Sleep Therapy(ホワイトノイズ睡眠セラピー)」という楽曲の著作権を侵害していると主張していますが、トムクザック氏によると虚偽の著作権侵害申し立ても多いとのこと。

「私はこれまで著作権侵害の申し立てを多く受けてきました。通常、長時間の作品を作った場合などに受けることが多いです。そして大抵の場合、私はこれらの申し立てについてまじめに扱うことはありません。申し立てにより問題が起こると判断した場合は、自分の作ったものであることがわかるように元の資料やオリジナルのデータなどを提出し、自分が作成したものであることを証明しています。大抵はこの方法で申し立ては消えるので、今回もそうなることを願っています」と、偽の著作権侵害申し立てにこれまで何度も悩まされてきたことを告白しています。

また、あるミュージシャンは自身の楽曲をムービー中で使用することを許諾したものの、結局ムービーがYouTube上にアップロードされたあと、ムービーに著作権侵害の通知が届いたと語っています。YouTubeは自動で著作権侵害がないかチェックするツールを導入しているのですが、トムクザック氏はこのツールは迷惑な通知を届けるばかりで、YouTube上で十分な収益を上げているユーザーにとっては「有害である」と語りました。

なお、トムクザック氏はアップロードされているムービーへの虚偽の著作権侵害申し立てが行われないように、「YouTubeが調整すべき」と主張しています。

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in ネットサービス,   動画, Posted by logu_ii

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