YouTubeの違法アップロードを自動検知するシステムを回避するため360度ムービーを使うケースが登場
YouTubeは著作権保有者のコンテンツをスキャンして検知する「コンテンツID」というシステムを設けており、コンテンツIDに類似したムービーがアップロードされると自動的に検出できるようになっているのですが、このコンテンツIDを360度ムービーでアップロードすることで回避するケースが出てきました。
以下のムービーは2010年公開の映画「ラスト・ソング」がアップロードされたもの。通常であればアップロードした数分後にはコンテンツIDに検知されてしまいますが、アップロードされてから3週間が経過した記事執筆現在でも視聴可能な状態になっています。
The Last Song 2010 movie - YouTube
なぜコンテンツIDに検知されないのかというと、このムービーは360度ムービーとしてアップロードされているためです。ムービーの画面をクリックしてからグリグリ動かすと、女性がいるダンススタジオのような場所に映像が埋め込まれているのがわかります。
YouTubeのコンテンツIDは、アップロードされたムービーを著作権保有者が提出したファイルのデータベースと照合します。ムービーとデータベース内のファイルに「一致」が発見されると、著作権保有者はアップロードされたムービーに対して「音声をミュート」「ムービーの閲覧不能」などの対応を取ることが可能になる仕組みです。
しかし、360度ムービーの中に映像を埋め込むとコンテンツIDを回避できる模様。「ラスト・ソング」をアップロードしたThuy Phamというユーザーは、1995年公開の映画「クルーレス」も同様の方法でアップロードしていたのですが、多くのメディアに取り上げられたためか、記事作成時点では削除されています。
なお、映画が埋め込まれていたダンススタジオのような場所は、以下の360度ムービーが撮影された場所と同一である可能性がかなり高そうです。
[360 VR] 밤비노 (Bambino) '오빠오빠' Eyes mode - YouTube
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