YouTubeが「6秒間」で印象を伝えるスキップ不可の新広告フォーマット「Bumper ads」を新たに導入へ
YouTubeを見ていると動画の前や途中に広告が挿入されることが多くなりましたが、2016年5月からはさらに新たな広告フォーマット「Bumper ads」が登場します。この広告フォーマットはわずか6秒で終了するという短いもので、YouTubeはこれを一瞬のうちに視聴者に印象を残す「俳句」のようなものであると説明しています。
Inside AdWords: Built for mobile: Bumper ads drive incremental reach and frequency, particularly on smartphones
http://adwords.blogspot.jp/2016/04/bumper-ads-drive-incremental-reach-and-frequency.html
この広告フォーマットを開始する狙いについてGoogleはブログの中で、「人々の動画視聴の行動パターンが大きく変化しており、18歳から49歳のユーザーの半分は、動画を見るときにまずモバイル端末を使うことが明らかになったため」とし、この変化に対応するための施策として、「6秒・スキップ不可」という新しい広告フォーマットの導入を決めたと述べています。
新しいフォーマットにおいては、この「6秒・スキップ不可」というポイントが最も重要な要素となっている模様。これまでのYouTubeの広告といえば、お目当ての動画の前に広告ムービーが挿入されるパターンが多かったわけですが、ほとんどの場合は広告を見ることよりも、画面右下に表示される「広告をスキップする」という文字が表れることに意識が集中していたはず。また、スキップ不可の15秒CMなどが再生されると「まだ終わらないのかよ」と、思わずいらだちを感じてしまったことがある人も少なくないはずです。つまり、これらの広告だと、中身がほとんど見られないか、逆に視聴者に悪い印象を与える可能性すら存在していたということになります。
そこで導入が検討されたのが、「6秒・スキップ不可」というBumper Adsと言うわけです。YouTubeはすでにBumper Adsのテスト運用を実施しており、短時間でサクッと終了し、リーチ数と再生頻度が向上するフォーマットはモバイル環境に最適であるとしています。
実際に挿入されたBumper Adsの様子は以下のムービーのとおり。イギリス出身の4人組ユニット「RUDIMENTAL(ルディメンタル)」のセカンドアルバムのキャンペーンの一環で使われたもので、実際の楽曲に合わせてボビー・ウーマックやエド・シーラン、リアン・ラ・ハヴァスなど、アルバムに参加している数々の大物ゲストをチラ見させることで、アルバムの印象を一瞬で伝えるような作り方になっていることがわかります。
Rud bumpers BWOMACK 1080p - YouTube
Rud bumpers ED LAYITALLONME - YouTube
Rud bumpers LLH 1080p - YouTube
いずれも一瞬で終わる広告ですが、思わず「お?なんだこれ?」と思わされてしまう内容になっていると言えそう。Googleはこのフォーマットについて「我々はBumper Adsを動画広告の『俳句』(haiku)のようなものと考えています」と表現。たしかに、限られた時間や文字数の中で最大限に印象を伝えるという意味では、Bumper Adsと俳句の目的は同じものと言えるのかもしれません。
また、自動車メーカーのアウディは、従来型の長いムービーと短いBumper Adsを組み合わせる手法をテストしているとのこと。以下のムービーは、同社のSUV「Qシリーズ」の魅力を伝えるために制作された45秒のムービーなのですが……
Audi TV-Spot "Q" - YouTube
そこから切り出された以下のBumper Adsが大量に投入されることになる、というわけです。いずれも「Q」の文字をテーマにしたもので、「Wo ein Q ist, ist auch ein Weg.(Qがあるところに、道はある)」という言葉と共に「Querpass(クロスキック)」や「Quantensprung(クォンタム・リープ:飛躍的進歩)」といったQから始まるテーマワードを絡めるというものになっています。
Querpass. Der Audi Q5. - YouTube
Quantensprung. Der Audi Q7. - YouTube
Bumper Adsは2016年5月から本格的に導入が予定されているとのこと。このフォーマットの特性を活かすためには、広告主側にはまた新たな表現手法が求められることになりそうです。
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