映画会社グループがISPへの海賊版訴訟を取り下げ、数億円規模の損害賠償&差止命令を共に撤回

アメリカの最高裁判所が「ISPは著作権侵害の疑いのある加入者にサービスを提供し続けたという理由だけで、著作権侵害の幇助(ほうじょ)責任を負うことはない」と判断した「コックス判決」を受けて、GoogleやXが係争中の裁判の棄却を請求したり、ISPに訴訟を起こした音楽会社グループが訴えを取り下げたりと、影響が広がりつつあります。2026年4月21日には新たに、映画会社グループも数百万ドル(数億円)の損害賠償請求を含むISPへの訴訟を取り下げました。
Filmmakers Drop Piracy Liability Lawsuit Against ISP RCN * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/filmmakers-drop-piracy-liability-lawsuit-against-isp-rcn/

2021年8月に複数の映画会社がISPのRCNに対し「著作権侵害を繰り返す者に対して適切な措置を講じず、その不作為から利益を得ていた」として訴訟を提起しました。訴状によると、RCNは映画会社から数千件の著作権侵害通知を受け取ったにもかかわらず何の制限も設けなかったため、海賊行為をできる状態が続いていたとのこと。同じ映画製作者グループはGrande、Verizonといった複数のISPに対し同様の訴訟を起こしていました。
2022年にRCNの訴訟却下申し立てが棄却され、間接的侵害および代理的侵害の主張が認められました。その後は訴状が修正されたり並行訴訟が提起されたりと訴訟は拡大し、映画製作者グループは損害賠償請求と併せて海賊版サイトへのアクセス遮断命令も求めました。
映画製作者グループとRCNの訴訟は約5年間継続していましたが、2026年4月21日に提出された共同合意書において、映画会社が訴訟を取り下げることで合意したことが示されました。この取り下げは最終的なものであり、訴訟を再提起することはできません。訴訟費用は各自が負担するものとされています。

共同合意書の中には、和解合意に関する理由の明記はありません。しかし、2026年3月にISPのコックス・コミュニケーションズを音楽会社グループが提訴した裁判で「ISPに責任を問うにはサービス提供者が著作権侵害を意図していたことを証明する必要がある」とアメリカの最高裁判所が判断したことを受けて、ISPを訴えた他の裁判が複数取り下げられており、今回の合意も同様の理由であると考えられます。
訴訟取り下げにより、数億円規模の損害賠償およびサイトブロッキング要求も検討されなくなります。今回のようにコックス判決を受けた訴訟取り下げが相次いでいることで、海賊版サイトのブロッキング要求を訴訟から成立させることが難しくなっていますが、一方でアメリカでは複数のサイトブロッキング法案が審議中であることも報じられています。
「ISPは著作権侵害の責任を負わない」と最高裁判所が判断した一方で海賊版サイトを取り締まるための新法案提出が進んでいる - GIGAZINE

記事作成時点では、原告側およびRCNの正式なコメントは発表されていません。
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in ネットサービス, Posted by log1e_dh
You can read the machine translated English article A group of film companies has dropped it….






