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「Amazonによる従業員の解雇は労働運動に対する報復であった」と連邦政府が決定づける

by Fibonacci Blue

2021年4月5日、アメリカの連邦政府による労働者保護団体「全国労働関係委員会(NLRB)」が、Amazonによる本社勤務従業員2名の解雇は、「目に余る労働運動に対処するため」の不当解雇であったと決定づけました。

Amazon Illegally Fired Activist Workers, Labor Board Finds - The New York Times
https://www.nytimes.com/2021/04/05/technology/amazon-nlrb-activist-workers.html

Amazonのシアトル本社でデザイナーとして働いていたエミリー・カニンガム氏とマレン・コスタ氏は、従業員たちによる組織「Amazon Employees for Climate Justice」を創設し、Amazonの環境に対する取り組みを是正すべく、2018年頃から活動を行ってきました。この組織は2018年の11月頃、Amazonに対し、気候変動に対処する包括的な計画を発表するよう求めた請願書を提出したり、2019年9月には、Amazonによる環境汚染に抗議して従業員1万5500人によるストライキを起こすと表明するなど、大規模な活動を行ってきました。

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Amazonはこのストライキ表明があった直後、従業員が「外部での活動」を行う時のためのポリシーを変更。この変更は外部活動の承認を得るために必要だった面倒な手続きを簡略化するといったものでしたが、同時に「方針が守られていない場合は人事部から通達を行う」というものでもありました。さらに2019年10月、Amazonはカニンガム氏らに対し「今後の活動は会社のポリシーに違反する可能性がある。Amazonのビジネスに関して公の場で話すことは、雇用の終了を含む正式な是正措置につながる可能性がある」と警告していました。

それでもカニンガム氏らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による需要増加に際し、Amazon倉庫の安全性を検討するよう求めるなどの活動を継続して行っていました。しかし2020年3月から4月にかけて、Amazonはカニンガム氏とコスタ氏を含む4人を「ポリシーに繰り返し違反した」といった理由から解雇。Amazonの広報担当であるジェイシー・アンダーソン氏は「労働条件を批判する従業員の権利を支持しますが、ポリシーへの違反は認められません」と述べています。


この決定に対し、エリザベス・ウォーレン氏やカマラ・ハリス氏ら民主党上院議員が懸念を表明し、「Amazonが従業員の活動に報復を行ったのではないか」と疑問を呈し、情報提供を求めていました。また、Amazon Web Servicesでヴァイスプレジデント兼上級エンジニアを務めたティム・ブレイ氏が抗議のため辞職するといった騒動にも発展しています。

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NLRBが「Amazonによる解雇は不当だった」と結論付けたことを受け、コスタ氏は、「深刻な問題に対し率直に発言することは企業のルールによって制約されるべきではなく、今回の決定により、立ちあがって発言することは正当な行為であると証明された」と語っています。

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in Posted by log1p_kr

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