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簡単に始められる「世界の幸せの習慣6選」


2020年度の世界幸福度報告では、世界で最も幸福な国ランキングのトップ5がデンマークやフィンランドなどの北欧諸国で独占されています。「厳しい寒さに見舞われる北欧諸国の人々が幸せなのはなぜ?」という疑問をきっかけに、世界各国の「幸せのための習慣」を調べた臨床心理士のJade Wu氏が、その中から特に感銘を受けた習慣を6つ選び出して解説しました。

6 Science-Backed Wellness Practices from Different Cultures | Savvy Psychologist
https://www.quickanddirtytips.com/health-fitness/mental-health/cultural-wellness-practices

◆1:デンマークの「ヒュッゲ」
ヒュッゲとは、「幸福」を意味する古いノルウェー語が由来の言葉で、「居心地がいい」「暖かい」「楽しい」といった事柄を包括する概念です。例えば、温かいココアを飲みながらふんわりとした毛布にくるまってくつろいだり、たき火を囲んで家族や友だちとおしゃべりしたり、キャンドルに火ともして風情を楽しんだりするのは、全てヒュッゲにあたります。

Wu氏はヒュッゲについて、「デンマーク人が冬に幸せを見いだすのは、ヒュッゲの概念のおかげです。ヒュッゲは、大きなマフラーや温かい飲み物を友だちと共有するというような具体的なやり方だけでなく、環境にあらがうことなく共存するという哲学も教えてくれます。つまり、寒さに文句を言うのではなく、お気に入りのケトルやウールのミトンで冬のちょっとしたぜいたくを楽しむというような生き方です」と述べました。


◆2:スペインの「シエスタ」
シエスタとは、昼食後の休み時間のことで、スペインでは多くの人がシエスタの時間に昼寝をします。昼寝は子どもだけでなく大人も実践しており、シエスタの習慣がある地域では昼食後に店や教会、美術館などの施設が2~3時間閉鎖されるほど、シエスタは重要視されています。

近年の研究では昼寝は単に休憩になるだけでなく、健康にもいいことが分かっています。2021年1月に発表された研究では、「定期的に午後の昼寝をすると認知能力が向上する」ということが示されているほか、心理学者や睡眠の専門家の大半が口をそろえて「昼寝をするべき」と述べています

「定期的に午後の昼寝をすると認知能力が向上する」という研究結果 - GIGAZINE


◆3:日本の「森林浴」
森林浴は英語で「forest bathing」または「shinrin-yoku」と呼ばれています。日本人にとっては、自然の中に身を置いて木の香りや葉ずれの音、小川のせせらぎを楽しむのはそれほど不思議なことではありませんが、海外の人にとっては「スポーツやハイキングをするわけでもなく、ただ森の中でのんびり過ごす」というのは意外な自然との触れ合い方のようです。

日本医科大学の医学博士である李卿氏らが2007年に発表した研究によると、森林浴には免疫力を高めて抗がんタンパク質の働きを強化する効果があるとのこと。肉体的な健康だけでなく、メンタルヘルスに対して自然が与える影響も大きいという研究もあることから、近年は医師が薬の代わりに自然と触れ合うことを推奨する「緑の処方箋」に注目が集まっています。

薬の代わりに処方される「緑の処方箋」とは? - GIGAZINE


◆4:インドの「ラフターヨガ」
ラフターヨガとは、ヨガの呼吸法に「笑い」を採り入れたヨガで、「笑いヨガ」とも呼ばれています。Wu氏はラフターヨガについて、「腹を抱えて笑うのが嫌いな人はいませんが、わざと笑う人はあまりいません。ラフターヨガは、笑うために何か面白いことが起きるのを待つ必要はなく、むしろ笑うことそのものが目的だという考え方に立っています」と説明しています。

笑いに関するさまざまな論文を横断的に分析した2019年の研究によると、「疑似的な笑いは自発的な笑いよりも気分を向上させる効果が高い」とのこと。ただし、2014年には「自分の気持ちに反して笑顔を作ると、気分がより落ち込む」という研究結果も報告されているので、気分が落ち込んでいる時に無理やり笑うのは避けた方がよさそうです。


◆5:南アフリカの「ウブントゥ」
ウブントゥとは、ズールー語で「人は人を介して人となる」という意味で、「他者への思いやり」や「皆があっての私」と訳されることもあります。この考えは、南アフリカの神学者で人権活動家でもあるデズモンド・ツツ氏が世界に広めた概念で、オープンソースのOSであるUbuntuもこのウブントゥから名付けられています。

Wu氏は「ウブントゥのポイントは、多様性や思いやり、温かさや全ての人の尊厳を受け入れるというヒューマニズムそのものであるという点です。これを実践するのは生涯の課題になるかもしれませんが、まずは全ての人の人格を認め、学ぶ姿勢を持ち、たとえ反りが合わない考えや対立している人であっても、尊重することから始めるのが肝要です」と述べました。


◆6:ユダヤ人の「安息日」
安息日とは、ユダヤ教で「一切の仕事をしてはならない」と定められた日のことです。ここでいう「仕事」とは収入源としての職業だけでなく火を使った炊事や機械の操作も含むため、ユダヤ教の戒律を厳しく守っている人は安息日には料理をせず前の日に用意したものを食べて過ごし、車の運転やスマートフォンの操作もしないそうです。

ユダヤ人作家であるメナヘム・カイザー氏は、アメリカの月刊誌The Atlanticに寄稿した記事の中で「確かに週末になれば休日が来ますが、現代人の休日は平日と同様に慌ただしく、結果的にストレスになってしまいます。生産的なことをしてはならないことになっている安息日こそ、真の『休み』の形になるかもしれません」と説明しています。


安息日には、必然的に家でゆっくり過ごすことになるので、家族との団らんを持つことにつながり、心身の健康にもいいという研究結果が報告されています。このことからWu氏は「ユダヤ教徒でなくても、世俗版の安息日を実践すれば、週に一度は人とのつながりを大切にする日を設けることができます」と述べました。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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