Google Chrome 89安定版リリース、ブラウザから外部のハードウェアに接続可能なAPIが搭載される
ウェブブラウザ「Google Chrome」の最新安定版であるバージョン89.0.4389.72がリリースされました。ウェブサイトからNintendo SwitchのJoy-Conなど外部のハードウェアにアクセス可能なAPIが整備されたほか、PC上の別のアプリにウェブサイトから簡単にデータを共有できる機能などが新たに搭載されています。
New in Chrome 89 - Chrome Developers
https://developer.chrome.com/blog/new-in-chrome-89/
New in Chrome 89: Web Serial, HID, NFC, PWA installability changes, and more! - YouTube
◆WebHID・WebNFC・Web Serialが導入される
WebHIDが導入されることで、ウェブサイトがゲームパッドやJoy-Conなどの人間が操作するデバイスと接続可能になります。StreamDeckと接続するデモページが公開されており、実際に操作している様子が以下のデモムービーにまとめられています。
Daft Punk Sound Board with Elgato Stream Deck using WebHID - YouTube
WebNFCは名前の通りウェブサイトからNFCタグの読み書きを行うための機能です。この機能を利用するためには、デバイスにNFCタグリーダーが接続されている必要がありますが、2021年時点で主流のスマートフォンにはすでにNFCタグリーダーが付いているものが多いため、スマートフォンから利用するウェブサイトの場合にはユーザー側は特別な準備をすることなく利用できそうです。
Web Serialはウェブサイトからシリアルポートを利用可能にする機能で、マイクロコントローラや3Dプリンターなどとの接続が可能になるとのこと。
◆オフラインでページが表示できないPWAに警告
GoogleはLighthouseというウェブサイトを監査するツールを展開していますが、このLighthouseにて「オフラインの状態でページが表示できないPWA」に警告が表示されるようになります。Chrome 89では警告のみとなっていますが、Chrome 93からは監査に引っかかるようになるとのこと。なお、この警告を回避するにはシンプルなフォールバックページを提供するだけでも大丈夫だとも述べられています。
◆新たな共有機能が追加され、別のアプリにデータを送信可能に
ウェブサイト上で作成したり、編集したファイルを直接別のアプリケーションに送信できる機能「Web Share」が導入されました。この機能はスマートフォンでは以前より利用可能でしたが、Chrome 89でWindowsおよびChrome OSで動作するようになったとのこと。
◆その他のアップデート
・JavaScriptモジュールにてトップレベルのawaitが利用可能に
・PWAのインストールアイコンがより分かりやすく変更
・開発者ツールにて「当該ノード全体のスクリーンショット」を撮影可能に
以前は画面外の部分が切り取られた状態でスクリーンショットが撮影されていましたが、Chrome 89以降は画面外の部分も含めてノード全体のスクリーンショットが保存されるようになります。
・コンソールおよびソース画面からオブジェクトをコピー可能に
また、Chrome 89には47個のセキュリティバグフィックスが含まれています。
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