YouTubeが世論や政治に影響を与えようとする約3000チャンネルを削除、うち2946個は中国のアカウント
YouTubeがロシア・ウクライナ・ブラジル・中国といった国々の政権や世論に影響を与えようとしていると見られる約3000チャンネルを2021年第1四半期に削除したことを発表しました。削除されたチャンネルのうち2946チャンネルは中国のものでした。
TAG Bulletin: Q1 2021
https://blog.google/threat-analysis-group/tag-bulletin-q1-2021/
Googleの脅威分析グループのディレクターであるシェーン・ハントリー氏がつづったGoogleのブログ記事によると、削除されたチャンネルの多くは「Coordinated Influence Operations(協調的影響作戦)」の一部と見なされるものとなっています。シンクタンクのルール形成戦略研究所は、Influence Operationsについて「外交・軍事・経済・サイバーという多様な角度から多様な手法を用いて、他国の世論形成や政策決定に影響を与える国家行動を研究するプログラム」と説明しており、2016年アメリカ大統領選へのロシアの関与なども、Influence Operationsに含まれます。
中国で削除された2946チャンネルの大部分は音楽・エンターテイメント・ライフスタイルに関するスパムコンテンツで、わずかに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するアメリカ政府の対応や、アメリカの政治的な分断についての英語および中国語コンテンツも含まれたとのこと。
中国に続いて削除数が多かったYouTubeチャンネルはロシアに関連するもので、計11チャンネル。またYouTubeチャンネルの他に広告アカウントやモバイルデベロッパーのアカウントも削除されています。
削除されたコンテンツの内容はウクライナでの出来事、アメリカ大統領選、クリミア併合、シリア内戦、アフガニスタン・アルメニア・ウクライナの歴史的出来事、野党リーダーであり活動家のアレクセイ・ナワリヌイ氏などに及びました。
これらのチャンネルやアカウントは全てロシア語でコンテンツを提供しており、ロシア政府が世論の形成に影響を与えようとしているものとみられています。
なお、上記ほか、ウクライナ、モロッコ、ブラジル、キルギスタン、エジプトなどのYouTubeチャンネル、広告アカウント、ブログといったコンテンツも協調的影響作戦の一部とみなされ削除されています。約3000チャンネルを2021年第1四半期に削除したことを発表しました。
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