Raspberry Pi 4と同等性能でバッテリー駆動可能な小型ボード「Quartz64」が登場

スマートフォン「PinePhone」や、わずか2000円のシングルボードコンピューター「PINE A64」など、さまざまなオープンソースハードウェアを開発するPINE64から、Raspberry Pi 4と同等性能ながらバッテリー駆動可能なシングルボードコンピューター「Quartz64 model-A」が新たに登場しています。

February Update: Show and Tell | PINE64
https://www.pine64.org/2021/02/15/february-update-show-and-tell/

Pine64 unveils Quartz64 SBC powered by Rockchip RK3566 SoC
https://www.cnx-software.com/2021/02/16/pine64-unveils-quartz64-sbc-powered-by-rockchip-rk3566-soc/

Quartz64 model-Aの見た目はこんな感じ。PINE64によると、2018年に登場したプロ向けシングルボードコンピューター「ROCKPro64」と類似した基盤レイアウトを採用しているとのこと。また、PINE64はQuartz64 model-Aの主な特徴として、「4K60Hz映像出力対応」「SATAポートを搭載」「バッテリー駆動可能」「e-inkディスプレイにネイティブ対応」「最大8GBのLPDDR4 RAMをサポート」といった点を挙げています。

Quartz64 model-Aの詳細なスペックはこんな感じ。

Quartz64 model-Aが採用しているSoc「Rockchip RK3566」は、Armが2017年に発表した最大1.8GHzで動作する4コアCPU「Cortex-A55」や、同じくArmが設計したGPU「Mali-G52」を搭載しています。

「Rockchip RK3566」を搭載したQuartz64 model-Aと、Broadcom BCM2711を搭載したRaspberry Pi 4のシングルコアパフォーマンスとマルチコアパフォーマンスを、ベンチマークソフト「Geekbench」の結果から比較するとこんな感じ。互いに近いスコアを記録しており、Quartz64 model-AがRaspberry Pi 4と同等の性能を持っていることが分かります。

PINE64は「Quartz64 model-Aの計算タスク実行速度は、2018年にリリースしたプロ向けシングルボードコンピューターROCKPro64と比べて、15～25％遅いです。しかし、Quartz64 model-Aはコンシューマー向けシングルボードコンピューターであり、ROCKPro64の比較対象となること自体が快挙と言えます。また、Quartz64 model-Aは高負荷時でも60度を超えることはほとんどありません」と語り、Quartz64 model-Aの計算処理能力の高さと省電力性能をアピールしています。

記事作成時点では、Quartz64 model-Aのリリース時期は未定とのこと。また、PINE64の公式Wikiでは、Quartz64 model-Aの回路図やデータシートが公開されています。