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鳥たちを生息地に誘いポイントを稼いでいく「ウイングスパン拡張:欧州の翼」&「ウイングスパン拡張:大洋の翼」プレイレビュー


美しい野鳥をいざなって「鳥のパラダイス」を作り上げるボードゲーム「ウイングスパン」の新たな拡張版「大洋の翼」の完全日本語版がアークライトゲームスから登場したので、拡張版第1弾「欧州の翼」と合わせてプレイしてみました。なお、この拡張版はいずれも「ウイングスパン」基本セットが必要です。

ウイングスパン拡張:欧州の翼 完全日本語版 | ArclightGames Official
https://arclightgames.jp/product/ウイングスパン拡張欧州の翼/

ウイングスパン拡張:大洋の翼 完全日本語版 | ArclightGames Official
https://arclightgames.jp/product/ウイングスパン拡張大洋の翼/

基本的な部分のプレイ感覚については、拡張版を含まない基本セットのみのレビュー記事を参照してください。

美しい野鳥をいざなって「鳥のパラダイス」を作り上げるボードゲーム「ウイングスパン」プレイレビュー - GIGAZINE


◆欧州の翼
「ウイングスパン拡張:欧州の翼」のパッケージはこんな感じ。


プレイ人数は1~5名、対象年齢は10歳以上、プレイ時間目安は40分~70分です。


内容物はこんな感じ。


ラウンド終了時の目的タイルが5個増えました。


鳥カードは箱の正面に描かれている「シロフクロウ」など、81枚増加。


カードの新たな効果として、各ラウンドの終了時に発動するものが追加されました。たとえば「ヨーロッパアマツバメ」の場合、ラウンド終了時に手元に残っている「無脊椎動物」のエサを最大で5個まで捨てて、捨てた個数分だけ、山札からカードを引いてこのカードの下に差し込むことができます。差し込んだカードはゲーム終了時、1枚につき1点としてカウントされることを考えると、その強力さがわかります。


目的ボードの横には、ラウンド終了時に何を行うかがわかる参照タイルを配置します。


あとはゲームをプレイするだけ。ただ、もともと170枚ある鳥カードに、さらに81枚のカードが加わり、シャッフルは困難を極めます。ここがプレイ時に一番悩むところかも……。


まずは、鳥カードを山から5枚、餌トークン5種類(果実・魚・無脊椎動物・げっ歯類・種子)を1つずつ手元に配り、鳥カードと餌トークンの合計が5になるように残します。以下の例だと、トークン3種類と鳥カード2枚を残しています。


さっそく「欧州の翼」で加わった「ヨーロッパハチクマ」を出してみました。カード効果は「ラウンド終了時に餌箱をリセットすると、リセット後の餌箱にあるすべての無脊椎動物を獲得」というもの。


実際、ラウンド終了時に餌箱をリセットして賭けてみることにしました。


結果、無脊椎動物を3つ獲得。ダイス運にかかってくるものの、ラウンドごとに餌のボーナスが入ってくるのはかなりお得な印象でした。


「欧州の翼」はプレイ感覚はほぼほぼ基本セットと同じなので、基本セットを1度遊んだことがあればそのままの流れで遊び始めることが可能。基本セットを持っているなら、ずっと「欧州の翼」は組み込んだ状態でも問題なさそうに思えるほどです。

◆大洋の翼
続いては「欧州の翼」に続いて発売された拡張版第2弾「大洋の翼」を組み込んでいきます。


基本セットや「欧州の翼」と同じく、1~5人向けで10歳以上対象、プレイ時間目安は40分~70分。


鳥カードは95枚増加。オセアニアに住む「キーウィ」や「エミュー」のような飛べない鳥は、鳥イラスト右下に示されている翼長が「*」となっていて、カード効果で翼長指定がある場合は常に当てはまるものとして扱われます。また、「ゲーム終了時」に効果を発揮する能力を持った鳥が新登場。能力が発動するのは文字通り「ゲーム終了時」の1回だけですが、それに見合う、最終的にスコアを底上げしてくれる能力持ちがそろっています。


目的タイルや新たな卵、新たなルールに従った早見表などのほか……


完全な新要素として、5種類の餌のいずれとしても使えるワイルド餌「花蜜」や、花蜜を獲得できる目があるダイスが増えました。ダイスは従来のものと置き換えて使用します。


さらに、個人ボードも花蜜対応ルールのものになりました。また、得られる餌の数や卵の数にも微妙な調整が加わっています。


鳥カードを場に出すにあたって、花蜜を必要とする鳥も登場。


通常、支払った餌トークンは共通在庫に戻されますが、花蜜は個人ボード左端の欄にためていきます。


ここで、「カード起動時に左隣のプレイヤーが花蜜を持っていたら、共通在庫から花蜜1個を得られる」という能力持ちの「ニュージーランドバト」を出していたおかげで、「餌の獲得」をプレイしてダイスから花蜜を獲得し、さらに能力で花蜜を追加獲得。


花蜜はワイルド餌として、いろいろなところで使えるので重宝します。


「大洋の翼」をプレイする上では「迷ったら花蜜を獲得しておけば困らない」という印象。


ただし、花蜜は他の餌と違って、ラウンド終了時に持ち越すことができないので、ラウンド終了時までに使い切らないともったいないことになります。


ゲーム終了時、生息地ごとに花蜜の最多消費プレイヤーに5点、次点消費プレイヤーに2点が与えられます。


なお、「欧州の翼」で追加されたボーナスカードの中には「生息地の翼長が昇順または降順になっている枚数」というものがあります。連続5枚で8点ゲットできるということで、かなり頭を悩ませつつ達成した様子がコレ。「コグンカンドリ(翼長175cm)」「アカオノスリ(翼長124cm)」「マミジロカルガモ(翼長88cm)」「スミレミドリツバメ(翼長36cm)」「カワセミ(翼長26cm)」と、降順になっています。


「大洋の翼」は花蜜が加わったことや新たな個人ボードになったことで、プレイ感覚がまったく新たなものになっています。餌と卵のバランスが変更されたこともあって、序盤から手が進みやすくなっているのも好印象です。

◆拡張版「オートマ」
「ウイングスパン」の特徴は、ソロプレイでも適切な難易度で楽しめる「オートマ」機能が充実しているところです。「欧州の翼」で追加されたオートマ専用ボーナスカードとラウンド終了時目的カードはこんな感じ。


「オートマ」は個人ボードを必要としないので、プレイスペースは複数人プレイ時と比べてかなりコンパクトに。


プレイヤーがやることは対人戦時と同じ。「オートマ」は専用カードをめくってターンごとの行動を決定していきます。


「大洋の翼」になると、オートマにも「花蜜」の影響が出てきます。ワイルド餌としてオートマが花蜜を使うことはないものの、ラウンドごとに所有する花蜜の増減があり、ゲーム終了時の所有数を競うことになります。


遊んでみたところ、「欧州の翼」オートマ(初級設定)が81点vs77点と4点差の辛勝、「大洋の翼」オートマ(初級設定)が89点vs86点と3点差でまたしても辛勝という結果になりました。得点計算方法がプレイヤーとオートマでは異なるため、途中でどちらが勝っているのかがまったくわからず、非常にハラハラする展開で、満足度の高いプレイ経験でした。


「ウイングスパン拡張:欧州の翼」は定価が税別3600円。

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「ウイングスパン拡張:大洋の翼」は定価が税別4000円です。

Amazon | アークライト ウイングスパン拡張: 大洋の翼 完全日本語版 (1-5人用 40-70分 10才以上向け) ボードゲーム | ボードゲーム | おもちゃ

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in レビュー,   ゲーム, Posted by logc_nt

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