レビュー

パズルのような建物を敷き詰めて誰よりも繁栄した街を作り上げる「マイシティ」プレイレビュー


テトリスのテトリミノのような形をした建物を土地に敷き詰めて、自分だけの街を発展させていくゲーム「マイシティ」の完全日本語版が、2020年1月14日にアークライトゲームズからリリースされました。世界的に著名なボードゲーム作家であるライナー・クニツィア氏がデザインを務め、2020年ドイツ年間ゲーム大賞にもノミネートされたという作品を、実際にプレイしてみました。

マイシティ 完全日本語版 | ArclightGames Official
https://arclightgames.jp/product/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%86%E3%82%A3/


なお、このゲームは一度遊んだら元に戻せないレガシーシステムを採用しています。レビューではある程度のネタバレを含むので、内容について何も知らない状態でプレイしたいと考えている人は注意してください。

「マイシティ」のパッケージはこんな感じ。


対象年齢は10歳以上、プレイ人数は2~4人、プレイ時間は1ゲーム30分を想定。今回は4人でプレイします。


内容物はルール説明書とゲームボード。


プレイヤーボードには、森林と山岳に挟まれて1本の川が流れている草原が描かれており、11行×11列の格子で区分されています。


そして、プレイヤーボードの上に並べるパズルピース。赤・黄・青の3色の建物が描かれています。


パズルピースは一見するとパズルゲームの「テトリス」に登場するテトリミノのような形ですが、テトリスでは見たことがない形のものも含まれています。


各パズルピースが描かれた建物カードが24枚。


勝利点マーカーが4つ。


そして、ゲームのシナリオが書かれた封筒が全部で8封。1封目の封筒には「チャプター1 新たなる大地」と書かれています。


まず、各プレイヤーにゲームボードを1枚ずつ配布し、数字が書かれた勝利点トラックの「10」のマスに勝利点マーカーを配置します。


次に、パズルピースを配布します。配布したパズルピースは表に向けておきます。なお、パズルピースは色ごとに分けて並べておくと便利です。


パズルピースの裏側には、動物のアイコン4種類のうち1つが描かれています。このアイコンはゲームボードの左上にあるアイコンと対応しており、各プレイヤーに配布されるパズルピースはゲームボードと同じアイコンが書かれたもののみ。つまり、大量にあるパズルピースは共通ではなく、各プレイヤー固有のものを使うというわけです。


そして、パズルピースが描かれた建物カードをよくシャッフルし、机の中央に配置します。


これで準備完了。ボードとパネルとカードのみなので、セットアップはあっという間に終わります。


ゲームを始めるために、まず「チャプター1 新たなる大地」と書かれた封筒を開封します。


この中にはシールのシートが1枚と……


ルールをまとめたシートが2枚が入っています。チャプター1つにつき3つのエピソードで構成されており、エピソードが進むにつれて少しずつルールが追加されていくという仕組み。


最初は最も基本的なゲームルールで進行します。ルールは非常にシンプルで、テーブル中央にある建物カードの山札からカードを1枚めくったら……


そこに書かれているパズルピースを、プレイヤー全員が同時にゲームボード上に配置するだけ。ただし、「最初の1枚は川に沿って配置する」「パズルピースは川をまたぐように配置できない」「2枚目からはすでに置かれているパズルピースに隣接するように配置する」「森林と山岳のマスにはパズルピースを配置できない」という条件があります。


2枚目に出てきたのはT字型の青い建物。


直前に設置したS字型の赤い建物に隣接するように、T字型の青い建物のパズルピースを置きます。森林には配置できませんが、ちょうど赤い建物と森林の間にすぽっと収まるように置くことができました。


そんな感じでパズルピースを自分のゲームボードに並べていきます。


しかし、限られた土地にパズルピースを並べていくと「このパズルピースはちょっと並べられないぞ」ということもあります。


そういう時は配置する予定だったパズルピースを裏向きにして「パス」を宣言することができます。ただし、ペナルティとして、パス1回につき勝利点を1点減らさなければなりません。


そして、「どのパズルピースががきても厳しいかも」と思ったら「エピソードを抜けます」と宣言し、残りのパズルピースをすべて裏返すことでゲームから降りることができます。エピソードから抜ける場合は勝利点が減ることはありませんが、そのエピソードではもうゲームをプレイすることはできません。


そんなこんなでパズルを敷き詰めていきます。すべての建物カードをめくるか、プレイヤー全員がエピソードから抜けた時点でゲームは終了となります。


ゲームが終了したら点数計算をします。点数計算は「勝利点トラックの点数」に「木の本数×1点」を加点、「岩の個数×1点」を減点、「草原になっている薄緑マスの枚数×1点」を減点した結果となります。例えば以下の場合、勝利点トラックの点数が10点で、木は2×3=6本、岩が2×1=2個、薄緑マスが5マス見えています。そのため、今回は10点+6点-2点-5点=9点という結果。


プレイヤーの中で勝利点で順位を決め、報酬を受け取ります。勝利の報酬はエピソードごとに異なり、今回は1位がゲームボード上部にある丸い「進行状況マス」を2つ、2位が進行状況マスを1つ埋めることができます。


さらに2位から4位は、ゲームボードに貼るシールを受け取ることができます。惜しくも敗れてしまった3位と4位は、得点源になる木のマスとなるシールを獲得。小さな四角が書かれた任意の薄緑マスに貼ることが可能です。


点数計算はエピソードが進むごとに増えていきます。最初はひたすらゲームボードを埋めて減点を減らしていくプレイが求められますが、あるエピソードでは「同じ色のパズルピースを隣接させた時、各色で一番大きなまとまりの枚数がそのまま点になる」というルールが追加されました。例えば以下のボードでは、青と黄と赤のパズルピースをそれぞれ7枚ずつつなげることに成功したので、8点+7点+7点=22点もの勝利点をゲット。形だけではなく色を意識して配置することが、大きな得点につながります。


また、シールを貼ることでゲームボードに追加された「井戸」は……


以下の画像のように4枚のパズルピースに囲まれた場合、勝利点を4点獲得できます。ただし、4枚のパズルピースに囲まれるということは「井戸の四方にパズルピースが1枚ずつ隣接する」ということなので、条件を満たすように建物を配置するのは難度が高め。


さらに、追加されたのが「教会」のパズルピースとカード、そしてブロックカード。


ブロックカードは建物カードの中に混ぜて使います。山札を引いてブロックカードが出てきた場合……


次のカードもめくります。今回は2マスの青い建物のカード。


これと同じパズルピースは、使うことができません。ブロックカードは、パズルピースを1枚使えなくしてしまうというわけです。


教会は各プレイヤーにパズルピースが3種類ずつ配布され、3枚の建物カードが山札に混ぜられます。建物カードを引いて教会が出た場合、その教会のパズルピースを必ず設置しなければなりません。例えば以下の場面では、十字型の教会の建物カードを引きました。


ゲームボードを見ますが、どうあがいても十字型の教会のパズルピースを置く場所がありません。


しかし、教会のパズルピースは決してパスできないというルール。つまり、置けなくなった時点で強制的にエピソードから抜けなければなりません。プレイヤーは「うちの街には教会なんていらないのに……滅びろ教会……」と恨み節をつぶやき、すべてのパズルピースを裏返してエピソードから抜けました。


しかし、教会は街にとって決して邪魔な存在というわけではありません。ゲームが進行すると、「教会に赤・青・黄の3色の建物がそれぞれ1つ以上隣接していた場合、3点獲得」というルールが追加されるため、頼もしい得点源になります。


そうなるとプレイヤーもうってかわって「やっぱり教会は大事だよね」「信じる者は救われますから」と言いながら、教会を配置し、得点を稼ぎます。


さらにゲーム終了後の報酬では、教会のパズルピースの勝利点を3点から5点にアップできるシールも配布されるため、教会の重要度はさらに向上。


とはいえ、教会のパズルピースが増えるということは、通常のパズルピースを置きにくくなったということ。これまで以上にパズルの置き方に注意する必要があります。


しかし、ゲームが進むと、川で大きな洪水が起こり……


川を挟んでゲームボード左側にパズルピースが置けなくなりました。しかし、これまでパズルピースを置けなかった森林にもパズルピースが置けるようになるため、パズルを配置する自由度が格段にアップ。


そして水が引けば、川を挟んで左側で金鉱が掘れるようになりました。


さらに、ゲームボードに金鉱石を並べる棚のモジュールが追加されます。


金鉱はゲームボード右上にも出現。


ゲームボード上にある2つの金鉱上に最初にパズルピースを置いたプレイヤーは「金鉱制覇!!」と叫びます。


見事金鉱制覇に成功したプレイヤーは、棚モジュールに金鉱石を1個与えられます。


マイシティは、最序盤ではかなりパズルピースの置き方や勝利点の獲得方法が制限されますが、ゲームを進めていくと、ルールが追加されていき、できることも増えていきます。パズルピースの置き方も自由度が格段に増し、考えることは増えますが、のびのびとパズルを敷き詰められる喜びがゲームをプレイする上での気持ちよさにつながります。

1回のエピソードをクリアするのにかかる時間は20~30分ほど。ゲームのルール自体はめちゃくちゃシンプルで、初心者でも遊ぶことができます。レガシーゲームなので、一度プレイしたら最初からプレイすることはできませんが、すべてのチャプターをクリアしても「永遠モード」というモードで自由に遊べるようになるので、用意されたエピソードをクリアしても遊び続けることが可能です。


マイシティは完全日本語版がAmazon.co.jpで取り扱われており、記事作成時点で税込3955円で購入可能です。

Amazon | アークライト マイシティ 完全日本語版 ボードゲーム | ボードゲーム | おもちゃ

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
船上に猫を敷き詰め闇の軍勢からの救出を図るボードゲーム「アイル・オブ・キャッツ 完全日本語版」プレイレビュー - GIGAZINE

商人や金鉱堀りといった役割をこなしながら富と名声を求めるカードゲーム「サンファン2」で遊んでみた - GIGAZINE

金銀財宝やラクダを売り買いしながら王様お抱えの商人としての成功を目指す「ジャイプル」レビュー - GIGAZINE

美少女科学者が透明なカードを重ねて最新鋭レンズを開発し首席を目指す「この天才科学者が首席になれないとでもいうんですか?」プレイレビュー - GIGAZINE

6種類の野菜を集めてより高得点のサラダを作るカードゲーム「ポイントサラダ」プレイレビュー - GIGAZINE

in レビュー,   ゲーム, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article here.