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SNS「Parler」の排斥こそGoogle・Amazon・Appleの独占を表すのに政治家は非難しないという矛盾


人気が急上昇中だったSNS「Parler」は、ドナルド・トランプ氏の支持者からの人気が高く、連邦議会議事堂の襲撃事件に関するコンテンツがあふれたことからAppleやGoogleによってアプリが削除され、AmazonもAWSの提供を停止しました。このような動きは、独占禁止法違反の疑いで調査されているAppleやGoogleがまさに反競争的行動を取っていることを示す例であるにもかかわらず、政治家はその点を指摘しないと、ジャーナリストでありニュースメディアThe Interceptの共同創設者でもあるグレン・グリーンウォルド氏がその問題点を明確にしています。

How Silicon Valley, in a Show of Monopolistic Force, Destroyed Parler - Glenn Greenwald
https://greenwald.substack.com/p/how-silicon-valley-in-a-show-of-monopolistic


トランプ大統領の支持者から人気が高いParlerですが、その設立はトランプ支持者とは全く関係ないものです。大手SNSがユーザーデータの収集やプライバシー保護、言論の抑圧といった点で問題視されるなか、Parlerは「強力なプライバシー保護」と「言論の自由」を約束するプラットフォームとして2018年に創設されました。FacebookやTwitterがポリシーを強化しユーザーの言論の自由を制限していくに伴いParlerの人気は増していき、2021年1月にはついにApp Storeで最もダウンロードされたアプリに上り詰めます。TechCrunchによると、Parlerは2020年に810万回新規インストールされ、全アプリの中でダウンロード数が10番目に多かったとのこと。

しかし、2021年1月8日、AppleがParlerに対してメールを送ったことを皮切りに、シリコンバレーの巨大IT企業が突如団結してParlerをインターネットから排除しだしたとグリーンウォルド氏は指摘。

まずAppleはParlerに対し、1月6日の連邦議会議事堂の襲撃を促進するためにParlerが利用されたという苦情を受け取ったとして、「24時間以内にモデレーションの改善計画を送ってください」「24時間以内にモデレーション改善計画を文書の送信と、App Storeレビューガイドラインに準拠したアップデートがなかった場合、アプリがAppStoreから削除されます」と通達しました。Parlerの幹部はAppleと何とかコミュニケーションを取ろうとしましたが失敗し、通達通り24時間後にParlerはApp Storeから削除されました。iOS端末の場合、ユーザーはApp Storeからしかアプリをダウンロードできないため、この措置によりParlerはiOSユーザーを失ったことになります。


その後まもなくGoogleも警告なしでParlerをGoogle Playから一時停止。Android端末はアプリのダウンロードをGoogle Playに限定していませんが、多くの人はGoogle Playを利用するため、ParlerはスマートフォンにおいてiOSとAndroidというほとんどのシェアを失ったことになります。

そして続く1月10日にはAmazonも「利用規約に従わず公共の安全をリスクにさらした」という理由でAWSのウェブホスティングサービスからParlerを排除しました。AWSは支配的なホスティングサービスであり、ParlerはAWSに変わるホスティングサービスを見つけられなかったことから、サービスの継続ができずインターネットから姿を消しました。

Amazon・Google・Appleなどは民間企業であり、基本的には自社が定めたルールに従わない人や団体を任意で排除することができます。だからこそ、民間企業が市場で支配的な力を持つと「ライバルになる可能性がある企業」を早いうちに削除できるとして、そのような事態を防ぐための独占禁止法が存在し、2020年にはGAFAに独占禁止法違反の目が向けられたわけです

しかし、Parlerの排斥に関して異論を唱えたリベラル派の議員は存在しないとグリーンウォルド氏は指摘しています。それどころかアレクサンドリア・オカシオ=コルテス氏のような議員はParlerの使用に関して「AppleやGoogleは何をしているのか?」とTwitterに投稿したほか……


Parler排除のニュースに対して「AppleやGoogle Playでこのような動きがみられて良かったです」と、Parler排除を称賛する動きをみせています。


これに対しグリーンウォルド氏は「アメリカの自由主義が経済的社会主義ではなく、政治的な権威主義に偏っているからだ」とコメント。リベラル派が企業の持つ力を、異なるイデオロギーを持つグループを沈黙させるために利用していると述べました。1月9日にはTwitterがドナルド・トランプ氏のアカウントを永久BANしましたが、巨大な力を持つ企業によるこれらの検閲行為について、ドイツのメルケル首相などから批判的な声が挙がっています

グリーンウォルド氏はParlerの排斥やその支援は「プラットフォームと言論の自由の基本原則についての完全な無知」に基づいていると考えています。


Parlerに悪質なコンテンツがアップロードされていたのは事実ですが、このような傾向はFacebookやTwitter、そしてGoogleが所有するYouTubeにも共通します。Parlerは利用規約で「暴力の明示的な擁護」を禁じており、モデレーションチームによって規約違反のコンテンツの削除も行われています。削除は必ずしもコンテンツ公開後すぐに行われるわけではありませんが、これも他のプラットフォームと共通することです。

なぜParlerがターゲットになったのかという理由について、グリーンウォルド氏はパーラーが新興企業でありGoogleやFacebookよりもはるかに狙いやすかったことや、Amazon・Apple・Googleに民主党の敵をだまらせて民主党員を喜ばせる目的があったことなどを推測していますが、事実は定かではありません。独占的権力は、上昇する競争相手を破壊するものであり、事実、Parlerは一晩で巨大企業たちによって破壊されました。Parlerの事例から、政治的世界でもシリコンバレーを独占する企業の力が強化されていると、グリーンウォルド氏は警告しました。

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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