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Googleがさらなる独占禁止法違反の訴訟に直面、今度はFacebookとの共謀の疑いも

by Ben Nuttall

2020年12月16日に、テキサス州をはじめとする合計10の州の司法長官が、Googleを独占禁止法違反の疑いで提訴しました。Googleは、10月にもアメリカ合衆国司法省や11の州から独禁法違反による訴訟を提起されたばかりです。

AG Paxton Leads Multistate Coalition in Lawsuit Against Google for Anticompetitive Practices and Deceptive Misrepresentations | Office of the Attorney General
https://www.texasattorneygeneral.gov/news/releases/ag-paxton-leads-multistate-coalition-lawsuit-against-google-anticompetitive-practices-and-deceptive

10 States Accuse Google of Abusing Monopoly in Online Ads - The New York Times
https://www.nytimes.com/2020/12/16/technology/google-monopoly-antitrust.html

Texas hits Google with antitrust suit over ad tech practices - Axios
https://www.axios.com/texas-hits-google-with-antitrust-suit-8bf73ca7-873f-4fa4-b70d-d6894c1c72c5.html

テキサス州のケン・パクストン司法長官は12月16日に、「Googleがオンライン広告業界で行った反競争的行為・排除的慣行・欺まん的虚偽表示が、独占の禁止を定める反トラスト法や消費者保護法の複数の条項に違反している」として、同社を提訴したことを発表しました。起訴内容には、広告市場の独占のほか、Facebookとの間で交わした反競争的な契約や、ユーザーへの不実の表示、競争の抑制などが含まれています。

パクストン司法長官はTwitterで、「Googleは競争を効率的に排除してオンライン広告のトップに輝きました。そして、支配力を駆使して市場を操作し、競争を破壊して消費者に損害を与えています。このような動きを野球の試合に例えるなら、Googleは自分をピッチャー兼バッター兼審判にしているようなものです」との声明を発表し、Googleを批判しています。

#BREAKING: Texas takes the lead once more! Today, we’re filing a lawsuit against #Google for anticompetitive conduct.

This internet Goliath used its power to manipulate the market, destroy competition, and harm YOU, the consumer. Stay tuned… pic.twitter.com/fdEVEWQb0e

— Texas Attorney General (@TXAG)


今回の訴訟には、テキサス州のほかアーカンソー州やアイダホ州を含めた9州の司法長官も加わっています。ニューヨーク・タイムズによると、連名で起訴した10州の司法長官は全員が共和党員で、今後さらに民主党員の司法長官も加わって超党派の訴訟に発展する可能性があるとのことです。


10月には、司法省と11の州の司法長官がGoogleを独占禁止法違反で提訴しており、1974年のAT&T訴訟や1998年のMicrosoft訴訟以来の大型訴訟と位置づけられています。

Googleが「独占禁止法違反」で司法省から提訴される - GIGAZINE

by Thomas Hawk

Googleの広報担当者であるジュリー・マカリスター氏は、「Googleの広告料金は業界平均を下回っているだけでなく、業界におけるネット広告の価格や手数料も10年にわたって下落しており、これは激しい競争がある業界の特徴です」と反論しました。

その上でマカリスター氏は「パクストン司法長官のクレームは無意味です。我々は法廷で彼の根拠のない主張から身を守るつもりです」と述べて、対抗姿勢を明確に打ち出しました。

またニューヨーク・タイムズは、パクストン司法長官が公開した(PDFファイル)訴状には黒塗りの修正が多数入っており、声明の中で主張した訴訟の根拠が不明瞭になっていると指摘しています。


ニューヨーク・タイムズによると、パクストン司法長官には贈収賄や職権乱用の疑いがかけられているほか、同氏がドナルド・トランプ大統領の著名な支持者でもあることから、Google訴訟はより大きい保守的なキャンペーンの一部だとの見方もあるとされており、今後は共和党と民主党の協調が実現するかが1つの焦点になると見られています。

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