メモ

なぜ「魅力的な人」は昇進が早いのか?


フランスのビジネススクールINSEADのケリー・A・ノールト氏、ステファン・トー氏、シンガポールマネージメント大学のマルコ・ピテサ氏1974年以降に行われた、経済学、心理学、教育、生物学、刑事司法の分野の69件にもわたる研究を分析し、「平均的な魅力の人に比べ、高い魅力を持つ人の収入は20%高く、より頻繁に昇進する」という事実を明らかにしています。

Does Good Looking = Good Employee? | AOM Insights
https://journals.aom.org/doi/full/10.5465/annals.2018.0134.summary

経済学における「差別」には「嗜好に基づく差別」や「統計的差別」などがあり、「嗜好に基づく差別」は単純に「個人の好き嫌い」、「統計的差別」は統計的に判断されるものです。「嗜好に基づく差別」はメリットや公平性という点に反していますが、「統計的差別」についてはある程度正当性があるとノールト氏は述べており、例として「雇用主が、人間は知能によってパフォーマンスに差があるものと信じ、知能テストを受けさせたうえで自由に雇用すること」というものを挙げています。

他にも、ニュースキャスターなどに見栄えのいい人が選ばれるのは「人々が魅力の高い人を求めており、より視聴率を稼げる可能性があるから」という「統計的差別」の例である可能性があります。また、ジャーナリストの「インタビューを重ねることでソーシャルキャピタルを構築し、多くの人と繋がってより多くの情報を得る」という仕事内容は魅力の高い人の方が成功しやすく、それが魅力の高い人が多い理由かもしれないともノールト氏は述べています。人間的な魅力は社会性の構築と相関関係があり、魅力の高い人ほど社会性の構築に小さいながら顕著な利点があるとのこと。


ただ、魅力の高い人は幼いころから課外活動やボランティア活動に従事する機会を与えられ、平均的な魅力の人より社会性を身に着けていることが多いとノールト氏は述べています。この事実により「統計的に」魅力の高い人がより高い社会性を身に着けており、より仕事に対するパフォーマンスが高いと見られ、魅力の高い人を「嗜好に基づいて」評価することに繋がってしまっているとのことです。


ただ、ノールト氏らは「外見による差別が正しく、正当化される訳ではない」と述べており、「人事管理者が『嗜好に基づく差別』を行っていては最高の労働力を得られるはずはありません。すべての従業員がソーシャルキャピタルを構築するスキルを学ぶことができます」とも述べています。

魅力的な人間がソーシャルキャピタルの構築にわずかながら利点があることは明らかですが、特定の個人を「魅力的だから」という理由で評価してよい理由にはなっておらず、さらにその「魅力」というものが性別、人種、社会階級などの偏見に基づいて判断されている場合、その是正について議論しなければならないとノールト氏らは結論付けています。

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in メモ, Posted by log1p_kr

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