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「離婚しやすい職業」が30年にわたるデータを調査して判明、同じ職業でも性別によって結果が真逆に

by Alejandra Quiroz

仕事は人の健康や幸福度、ストレスだけではなく、人間関係にも影響を及ぼします。夫婦関係もそれぞれの職業に影響されるのではないか?ということで、ストックホルム大学で人間行動生態学について研究を行うCaroline Uggla博士研究員率いる研究チームが過去30年のデータを用いて「異性が多い職場だと離婚は多いのか?」ということを明るみにする大規模な調査を行いました。

Higher divorce risk when mates are | Biology Letters
http://rsbl.royalsocietypublishing.org/content/14/9/20180475

Hotel Workers Are Most Likely to Get a Divorce, Study Suggests
https://www.livescience.com/63683-more-dating-options-lead-to-divorce.html

これまでの研究でも、「パートナーの代わりがいる、ということは離婚の確率と関係する」ということは示されていました。2015年の研究では、女性が大多数を占めるコミュニティに属する男性は短期間の交際を好むということが示されています。しかし、Uggla氏は、「過去の研究は人が一日の大半を過ごす場所、すなわち職場の男女比を考慮していない」と考えました。

by rawpixel.com

Uggla氏と同僚のGunnar Andersson氏は過去30年にわたるデンマークの「職業別男女比」と「職業別の離婚率」の関係を調査。その結果、「職場で潜在的なパートナーと出会う割合が高いと、離婚のリスクが高い」ということが判明したとのこと。この傾向は女性よりも男性の方が高いそうです。

デンマークは1945年から国民の統計データを蓄積しています。そのデータをもとに研究者が「1945年以降に生まれ、少なくとも調査期間中に1つ以上の職につき、1981年から2002年の間に異性婚を行った」という条件に当てはまる数十万人を対象に調査を行ったところ、10万2453人の男性と11万3252人の女性が期間中に離婚を経験していたことが明るみになりました。


調査を進めた結果、男性の数が支配的な建設業などの職場で働く人は、同じ職場で働く女性よりも離婚リスクが低いことが判明。これとは対照的に、建設業のような男性が多い職場で働く女性は離婚しやすいということがわかりました。

そして、男女ともに離婚率が高かったのが、人との関わりが比較的多くなる「ホテル」および「レストラン」というセクション。一方で男女ともに離婚率が低かったセクションは「農家」と「司書」です。そして、全体的に見ると「女性が多い職場で働く男性」は「男性が多い職場で働く女性」よりも離婚しやすいことも示されました。

by Paul Efe

「文化的なものかもしれませんが、男性の方が新しい関係を受け入れ、離婚することが多くあります」「あるいは何らかの理由によって、男性は女性よりも潜在的な交際相手に反応しやすいのかもしれません」とUggla氏。なお、研究において、結婚した年齢、教育、子どもの数といったリスク因子については考慮されています。男女ともに「教育」の要素は離婚率に関係しており、特に高学歴の男性はそうでない男性に比べて、女性が多い職場に置かれた時に離婚しやすくなることを2人の研究者は述べています。女性の場合は逆で、高学歴になると離婚する確率が少なくなるそうです。

このような大規模な調査は珍しく、価値のあるものですが、人によって置かれている状況が異なり、財政的保証・ストレスレベル・性格といった点などがデータに反映されていない点は注意すべきところ。仕事と離婚率についてより確実な結論を出すには、さらなる研究が必要だと考えられています。

by stevepb

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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