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両親の離婚は子どもにどのような影響を与えるのか?

by Bob_Dmyt

2017年の日本の婚姻件数は60万7000組なのに対し、離婚件数は21万2000組であることが(PDFファイル)データで示されています。「離婚」という選択肢を取る夫婦は少なくありませんが、夫婦に子どもがいた場合、子どもは一体どのような影響を受けるのかについて、クイーンズランド大学で心理学について研究するKim Halford博士が解説しています。

How will my divorce affect my kids?
https://theconversation.com/how-will-my-divorce-affect-my-kids-101594

Halford博士が暮らすオーストラリアの子どものうち、両親の離婚を経験する子どもは年間5万~6万人とのこと。18歳までに両親の離婚を経験する子どもは、5人に1人だといいます。

子どもは両親の離婚の前後に落ち込むものですが、多くの子どもたちは翌1~2年で状態が回復し、長期的に見れば多くの子どもたちは環境に適応すると研究で示されています。一方で、平均的にいうと家族内で離婚を経験した子どもの学歴は、家族内での離婚を経験していない子どもに比べてわずかに低いとのこと。素行上での問題を抱えやすく、不安やうつといった症状を呈する可能性も若干あります。

しかし、問題を個別に比較して見てみると、両親の離婚を経験した子どもは深刻なメンタルヘルスの問題や薬物乱用の問題を抱える割合、そして自殺を試みる割合が2倍に上っており、両親の離婚が子どもに少なくない影響を与えているといえます。

by Myriams-Fotos

そして、問題は離婚そのものよりも、離婚の際に両親が行う争いにある様子。特に両親の争いが言葉による虐待や暴力を含むような深刻なものであり、子どもたちの前で頻繁に争いが起こった時に、子どもたちに長期にわたる影響を及ぼすことになります。また、両親が争っている内容が自分や自分の育て方についてだった場合、子どもは自分自身を責める傾向にあります。「自分のせいで両親がケンカしている」あるいは「争いを止めなければ」と感じた子どもは適応障害に苦しむ可能性が高いとのこと。

by RyanMcGuire

そして、例え両親が離婚していなくとも、「子どもの前で両親が争うこと」は子どもの適応障害と関連します。あまりにも争いが多い両親の場合、離婚することで子どもが争いに触れる機会が減ることも考えられ、「結婚を続けることが必ずしも子どもを争いから守るわけではない」とHalford氏は述べました。時には離婚した両親が新しい人間関係を築いたものの失敗し、メンタルヘルスや薬物乱用の問題を抱えることがありますが、それも子どもの適応障害を引き起こすことが考えられます。子どもの生活環境、そして「誰が子どもを世話するか」ということも、子どもの適応問題と関わってくることを覚えておく必要があります。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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