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「子どもが成功するのに必要な要素」が800人の子どもを30年に渡って追跡した結果判明

By SAM Nasim

30年間にわたって800人の子どもを追跡調査し、子どもが将来、経済的に成功するかどうかについて、何が必要なのかを大規模に調べた結果が明らかにされ、成功に必要なシンプルな要素が分かりました。

Rich Kid, Poor Kid: For 30 Years, Baltimore Study Tracked Who Gets Ahead : NPR Ed : NPR
http://www.npr.org/blogs/ed/2014/08/07/335285098/rich-kid-poor-kid-for-30-years-baltimore-study-tracked-who-gets-ahead

ジョンズ・ホプキンス大学の社会学者・カール・アレクサンダー博士は、ボルチモアに住む子ども約800人を、小学1年生から20代後半までの30年間という長期間に渡って追跡し、その子どもが社会的に成功したかどうかと、子どもの生活環境との関連性を調べました。なお、ここでの「成功」とは、経済的に恵まれた生活を送るようになったことを指しています。


調査結果は、子どもたちが成功するかどうかは生まれた時点の家庭環境によって決まるというシンプルなものでした。簡単に言うと、両親が共に健在で経済的に恵まれてより良いスタートを切った子どもたちは裕福になり、逆に親が離婚したり経済的に恵まれなかった子どもたちの大半は、貧困層にとどまったとのこと。

約800人の子どもの中で、低所得の貧困層の家庭で生まれたにもかかわらず高い収入を得るようになったのはわずか33人で、また、貧困層に生まれて大学の学位を得たのは28人に過ぎなかったそうです。

By Medgar EversCollege

ある意味、予想通りの「金持ちの子どもは金持ちになりやすく、貧乏な子どもは貧乏なまま」という身もふたもない調査結果になったわけですが、より詳しく分析すると興味深い別の事実も浮かび上がっています。

今回の調査では、経済的に恵まれた環境で育った「白人」の男性は、薬物乱用やアルコール依存に陥る割合が最も高かったことが明らかになっています。アレクサンダー博士によると、アフリカ系アメリカ人よりも白人のアメリカ人の方が素行不良になりやすく、経済的に恵まれた家庭に生まれた白人男性が最も高い割合で、アルコール依存・薬物乱用になったとのこと。そして、この傾向は、逮捕歴の多さにおいても同様でした。

By basswulf

以上のように、裕福な家庭に生まれた子どもは裕福になりやすく、貧乏な家庭に生まれた子どもは貧乏になりやすいという統計が出たわけですが、もちろん、貧困層を抜け出し経済的に成功した人も少数ながらいます。そして、前述の白人男性のように恵まれた環境にもかかわらず転落していった人も多くいます。これらの人がなぜ成功したのか、逆に転落していったのかという原因は非常に気になるところ。そして、なぜ白人の方が薬物・アルコールにおぼれやすいのか、その理由についても興味は尽きません。

800人の子どもを30年間という長期間にわたって追跡した今回の調査は、その類を見ない規模ゆえに、統計資料として貴重と言え、調査結果のさらなる分析を期待したいところです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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