サイエンス

緑色の光に片頭痛を抑える効果がある可能性


片頭痛の原因は天候・食事・化学作用などさまざまなものが考えられ、治療法も記事作成時点では薬物療法のほか、食餌療法、生活改善など多岐にわたり、効果も人によってばらつきがあります。依然として明確な治療法が確立されていない片頭痛ですが、新たに科学者が「緑の光を1日数時間浴びる」という方法で片頭痛が緩和される可能性を報告しました。

Evaluation of green light exposure on headache frequency and quality of life in migraine patients: A preliminary one-way cross-over clinical trial
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/0333102420956711

Shining a Green Light on a New Preventative Therapy for Migraine | The University of Arizona Health Sciences
https://uahs.arizona.edu/tomorrow/shining-green-light-new-preventive-therapy-migraine

Daily doses of green light may minimize migraines
https://newatlas.com/health-wellbeing/green-light-migraines/

アリゾナ大学の麻酔科准教授であるモハブ・イブラヒム氏が率いる研究チームは、2017年にマウス実験で「緑の光が神経障害による痛みを減少させる」ということを報告しており、今回新たに、同様の緑の光で人間の片頭痛を治療できる可能性を示しました。


研究チームは片頭痛持ちの被験者29人を対象に実験を実施。この29人は過去に片頭痛治療を試したものの、いずれも効果がみられなかったという経歴を持ちます。

実験ではまず、29人の被験者に10週間にわたって、1日1~2時間ほど白色の光を浴びてもらったとのこと。その後、2週間ほどの休憩を挟み、被験者は白い光の時と同様に、10週間にわたって緑の光を浴びました。実験の期間中、被験者は定期的に片頭痛の頻度と痛みの強さ、そして片頭痛が日常生活にどの程度影響したかを報告しました。


実験後に研究チームが分析を行ったところ、被験者は緑の光を浴びることで、1カ月のうちに片頭痛を起こす日数の平均を60%ほど減少させたことがわかりました。また片頭痛が起こった時でも、痛みの度合が60%ほど和らぐことも示されたそうです。加えて、痛みが続く期間が短くなり、仕事や運動、睡眠といった日常生活への影響も小さくなったとのこと。

なお、緑の光を浴びたことによる副作用は報告されていません。

注意すべきなのは、実験で使用した緑の光を発するライトは周波数や光強度が特殊なものであり、光を浴びる方法も実験用に編み出されたものだったため、市販のライトでは同様の効果が見られないという点。加えて、記事作成時点ではライトがどれほど片頭痛を減らすのかが、まだ結論づけられていないとのことです。


「これは素晴らしい発見ですが、まだ研究は始まったばかりです。科学者として、私はこのようなことがどうして起こるのかに強い興味を持っています。このメカニズムが理解できれば、他の症状に対しても利用できる可能性があります。私は緑の光を、できるだけ多くのことを達成するためのツールとして使用し、生物システムを操作したいと考えています」とイブラヒム氏は述べました。

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in サイエンス, Posted by logq_fa

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