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OracleがTikTok買収に成功も「中国側が経営権を維持」の条件にトランプ政権が難色か


中国のByteDanceが開発・運営するショートムービー共有アプリ「TikTok」のアメリカ事業買収にOracleが成功しました。しかし、トランプ政権は「安全保障上の懸念」から承認に難色を示しています。

Oracle’s TikTok Bid Leaves Open Some U.S. Security Concerns - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-09-16/oracle-s-tiktok-bid-leaves-u-s-security-concerns-unaddressed

Backlash Grows to TikTok-Oracle Deal - The New York Times
https://www.nytimes.com/2020/09/16/technology/tiktok-oracle-opposition.html

Oracle (ORCL) Would Get Access to TikTok Code Under Proposed Deal - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-09-16/oracle-would-get-access-to-tiktok-code-proposed-deal-terms-say

2020年6月、TikTokは「ユーザーの入力した内容を読み取っている」というプライバシー上の問題があると報じられたことから、トランプ政権は2020年9月15日までに「TikTokをアメリカ企業に売却しなければ、アメリカ国内でのTikTokの利用を禁じる」という条件を突きつけていました。このTikTokのアメリカ事業を求めてMicrosoftは長らく交渉を重ねてきましたが、Oracleは後追いの形で競争に参入。最終的にはMicrosoftはByteDanceに拒否され、OracleがTikTokを獲得することとなりました。

MicrosoftによるTikTok事業買収の提案が拒否、Oracleが信頼できるパートナーとして選ばれたとも報道 - GIGAZINE


しかし、OracleのTikTokアメリカ事業買収に関して、トランプ政権側から「待った」が掛かっています。契約によると、Oracleの買収後はTikTokはアメリカに本社を置き、アメリカ政府によって承認を受けた取締役会を採用し、継続的な監査やレポート、第三者機関による監視を受けるとのこと。さらに、OracleはTikTokのソースコードとアップデートのフルアクセス権を取得できるようになるため、中国に情報を流すバックドアなどの存在を直接確認可能になる見込みです。

契約によってOracleはTikTokに対してさまざまな権利を得るわけですが、トランプ政権が難色を示しているのは「TikTokの経営権」の問題です。トランプ大統領は現地時間2020年9月16日の会見の中で、「ByteDanceが引き続き過半数株式を保有し、Oracleは少数株主になると聞いており、概念的には好ましくない」と述べ、株式の取得率によって、経営権が中国のByteDance側にあるという点に難色を示しました。


経営権がByteDance側にあるということは、TikTokの中核を成すアルゴリズムやエンジニアリングチームの所有権は中国側が握るということです。アメリカ人のユーザーデータはOracleが所有するそうですが、トランプ政権は「重大な安全保障問題が未解決のままである」と考えています。

トランプ政権は現地時間2020年9月20日までに、OracleによるTikTokアメリカ事業買収の可否を判断する予定です。

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in ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

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