Huawei製の独自OS「HarmonyOS」が2021年中にHuawei製スマホに搭載される可能性
アメリカ政府はHuaweiをはじめとする中国製品に情報通信上のリスクがあると主張しており、2020年7月にはHuaweiとZTEを「国家安全保障上の脅威」に指定しました。Huaweiに対する締め付けが厳しくなる中で、Huaweiが2021年から自社製OS「HarmonyOS」をHuawei製スマートフォンに搭載する可能性があると報じられています。
Huawei’s HarmonyOS is coming to smartphones - The Verge
https://www.theverge.com/2020/9/10/21430275/huawei-harmonyos-smartphones-release-date
Huawei releases OS source code in push for own ecosystem
https://techxplore.com/news/2020-09-huawei-os-source-code-ecosystem.html
アメリカと中国間の対立は企業の関係や取引にも多大な影響を及ぼしており、2019年にはGoogleがHuaweiとの取引を停止することを決定。新たに登場した多くのHuawei製スマートフォンはAndroidベースではあるものの、Google PlayなどのGoogle製サービスが利用できなくなっていました。
GoogleがHuaweiのAndroidサポートを停止、今後のHuaweiスマホはGoogle PlayなどのGoogleサービスが一切利用できなくなる模様 - GIGAZINE
その後、「Huaweiは2019年内に独自OSを搭載したスマートフォンをリリースする」と報じられましたが、記事作成時点では独自OSが搭載されたスマートフォンは登場していません。
Huaweiの独自OS搭載スマホが2019年内に登場予定と報じられる - GIGAZINE
by Open Grid Scheduler / Grid Engine
2020年9月10日、中国の深センで行われたHuaweiの年次開発者会議において、コンシューマービジネスグループのCEOを務めるRichard Yu氏が「Huawei製の独自OSであるHarmonyOSを、スマートフォンを含む幅広い製品に搭載する」との計画を発表しました。
2019年に発表されたHarmonyOSはIoTデバイスを主な対象として設計されたOSであり、開発者向けにリリースされている最新版のHarmonyOS 2.0 SDKは、スマートTVや車載システムといった製品を対象としています。Yu氏は、HarmonyOSのスマートフォンアプリ開発者向けバージョンを2020年12月にリリースすると述べ、2021年にはHarmonyOSを搭載したHuawei製スマートフォンが登場する可能性があると示唆したとのこと。
また、Huaweiは「OpenHarmony」という名称のプロジェクトを開始することも発表しています。これはAndroidにおけるAndroidオープンソースプロジェクト(AOSP)と同様に、HarmonyOSのオープンソースバージョンを基盤にした開発を可能にするもの。記事作成時点では、OpenHarmonyプロジェクトは128MB以下のRAMを搭載したデバイスしかサポートしていませんが、2021年4月には制限が4GBに拡張され、2021年10月までに制限が撤廃される予定だそうです。
スマートフォンのOSはAndroidとiOSの2つが支配する状況が続いていますが、今回の発表はHuaweiが独自のエコシステムを構築する計画を進める方針であることを示しています。Yu氏は、HarmonyOSを通じて中国の開発者が作った製品を世界中の消費者に届けると同時に、海外の開発者がHarmonyOSを通じて巨大な中国市場でユーザーを見つけることができると主張。「私たちは両者の架け橋になりたいのです」と、Yu氏は述べました。
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