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Google検索に「Googleの使い方が危険にさらされている」というポップアップが出るように


オーストラリアでは、GoogleやFacebookがニュースメディアの記事から得た利益の分配について、メディア側が交渉できるようにする「News Media Bargaining Code(ニュースメディア交渉法)」が検討されています。Googleはこの法律に猛反対しており、オーストラリアのGoogle検索に「オーストラリア人のGoogleの使い方が危険に晒されています」というポップアップを表示させ、ユーザーに警告を送りました。

Google's open letter to Australians about news code contains 'misinformation', ACCC says | Technology | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2020/aug/17/google-open-letter-australia-news-media-bargaining-code-free-services-risk-contains-misinformation-accc-says

Google lobbies Australian users against plans to make it pay for news - The Verge
https://www.theverge.com/2020/8/17/21371709/google-australia-paying-for-news-lobbying-media-ads-search-market

Australia consumer watchdog comments on Google letter on media bargaining code
https://www.cnbc.com/2020/08/17/australia-consumer-watchdog-comments-on-google-letter-on-media-bargaining-code.html


GoogleやFacebookがニュース収集・配信で不当に利益を得ているという指摘はこれまでにも世界各所で行われており、スペインでは規制により2014年にGoogleニュースが終了し、ドイツやブラジルではGoogleがメディア側に支払いを行う方向で進んでいます

オーストラリアでもGoogleがメディアに支払いを行うことが検討されていたのですが、2020年7月31日、オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)はオーストラリア政府の要請に基づき「ニュースメディア交渉法」の草案を発表。GoogleとFacebookを名指しして、利益の分配に関する条項を明らかにしました。これに対し、Googleは特設サイトで公開書簡を発表し、新法に反対する意思を表明しました。

「GoogleやFacebookはニュース読者のデータをメディアに引き渡さなければならない」という法律にGoogleが反対声明を発表 - GIGAZINE


また、Googleは「Google.com.au」を開いた時に「The Way Aussies use Google is at risk」(オーストラリア人のGoogleの使い方が危険に晒されています)というポップアップを表示し、ユーザーに対しても警告を送っています。「新しい規制によってあなたの検索体験が傷つけられます」という文章の下に「Learn more」というボタンを表示し、これをクリックすると公開書簡のある特設ページに飛ぶ仕組みです。


Googleは新法が施行されることにより、Google検索やYouTubeのユーザー体験が劇的に損なわれ、ユーザーデータが大手ニュースサイトに渡り、大手ニュースサイトに「不公平なアドバンテージを与えることになる」と述べています。新法は、Googleがメディア運営組織に対して「アルゴリズムの変更がランキングに与える影響」などについて助言することについても盛り込んでいますが、この対象となるメディアは「年間収益が15万ドル(約1600万円)」といった要件を満たす必要があり、大手のみに限られるとみられています。

なお、新法が「無料サービスを傷つける」「ユーザーの検索データが危険に晒す」とするGoogleの公開書簡を受けてACCCは、「本日Googleが公開した公開書簡にはACCCが計画中のニュースメディア交渉法草案について、誤った情報が含まれます」と発表し、YouTubeなど無料サービスの有料化や、ユーザーデータをメディアに渡すといったことが今後行われるとしたら、あくまで「Googleがそれを選択すること」によって行われるものであると強調しました。


ACCCは検討中の新法が「オーストラリアのニュースメディアビジネスと、Google・Facebookとの間にある著しい交渉力の不均等を是正するものです」と述べています。

Response to Google open letter | ACCC
https://www.accc.gov.au/media-release/response-to-google-open-letter


上記のACCCの発表に対してGoogleの広報担当者は「Googleは法律がYouTubeやGoogle検索といった無料サービスに対して有料化を求めていると言っているわけではありません。またGoogleが無料サービスを有料にする意図もありません」とコメント

「私たちが言っているのは、無料サービスであるYouTubeや検索がオーストラリアで危険に晒されているということです。この法律がそのまま通れば機能しないからです」「例えば、法律は全てのニュースメディアに対してアルゴリズムの変更を予告し、その影響を最小減にする方法を説明することを求めています。この法律にGoogleが従えば、プロダクトやユーザー経験が深刻なダメージを受けることになります。これは、Google検索やYouTubeに最も関連性が高い有用な結果を示し続けるという私たちの能力に影響します」と広報担当者は説明したとのことです。

なお、法案は8月28日まで協議される予定となっています。

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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