Googleが有料ニュースの支払いを肩代わりしてユーザーが無料でコンテンツを見られるようにするプログラムを発表
Googleが「ニュース業界をサポートする新しいライセンスプログラム」を開始すると発表しました。プログラムが開始されるとGoogleがニュースのパブリッシャーに支払いを行うことで、一般ユーザーはこれまでペイウォールに阻まれていた有料記事を無料で読むことが可能になる予定となっています。
A new licensing program to support the news industry
https://www.blog.google/outreach-initiatives/google-news-initiative/licensing-program-support-news-industry-/
Google will start paying publishers to license content - Axios
https://www.axios.com/google-will-start-paying-publishers-to-license-content-d05550e5-cc0f-4177-a7db-b085af9157bb.html
Googleが2020年後半にリリースする予定なのは、高品質のコンテンツ作成者に料金を支払うというライセンスプログラム。詳細は明らかにされていないものの、ムービー・音声・画像・文章などを利用してコンテンツを配布するパブリッシャーのうち一部に、Googleが支払いを行うとされています。また、オンラインメディアのコンテンツには全部あるいは一部が有料化されているものがありますが、このようなペイウォールに阻まれたコンテンツに対してGoogleが支払いを行うことで、一般ユーザーが無料でアクセス可能になる可能性も示されています。
既にGoogleはドイツ・オーストラリア・ブラジルといった国や地域でパブリッシャーとパートナーシップ契約を結んでおり、今後数カ月以内に他の国でも契約が拡大される見込みです。
Googleは新しいプログラムがGoogleニュースやGoogle Discoverの体験を「拡張」するものだとしています。Googleのニュース製品管理ヴァイスプレジデントのBrad Bender氏によると、Googleは記事作成時点でコミュニティに価値ある地域特有の情報を届けるローカルのパブリッシャーをプログラムの対象としているとのこと。
ただし、今後Googleは政治的な視点を含めてさまざまな観点から対象となるパブリッシャーを選択していく予定だとBender氏は述べています。
Googleはブログで、世界的なパンデミックのさなかで人種的な不平等に対する懸念が高まっていることを挙げ、ニュースの重要性について強調しています。その一方でニュースメディアのAxiosは、世界的に「GoogleやFacebookがパブリッシャーに直接支払いを行うこと」を求める規制への要求が高まっていることを指摘。EUで可決されたリンク税により、Googleニュースで記事を掲載するためにはGoogleがパブリッシャーに支払いを行わなければならない可能性が高まっています。ただし、これまでGoogleは支払いを行うのではなく、ニュースの表示方法を変えるという方法を検討していると伝えられてきました。
新たなプログラムの発表は、Googleがパブリッシャーへの支払いを「避けられないもの」だと認識した上で、前向きなアプローチを採っているとAxiosは見解を述べています。
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