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Googleニュースがリンクを貼るだけで著作権料がかかる「リンク税」の影響で終了する可能性

by lalo Hernandez

EUで導入が検討されているハイパーリンクを貼るだけで著作権料がかかる、通称「リンク税」の影響で、Googleの運営するニュースアグリゲーターサービス「Google ニュース」が終了する可能性が報じられています。

Google News may shut over EU plans to charge tax for links | Technology | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2018/nov/18/google-news-may-shut-over-eu-plans-to-charge-tax-for-links

リンク税とは、インターネット上に無数に存在するリンクに対して、著作権料の支払いを請求できるようにするというもの。リンク税に関する詳細や、何が問題なのかについては以下の記事にまとめられています。

ハイパーリンクを貼るだけで著作権料がかかる通称「リンク税」がEUで導入されようとしている - GIGAZINE


このリンク税の登場により、Google ニュースがサービスを終了する可能性があると報じたのは、海外メディアのThe Guardianです。しかし、Googleで副社長を務めるリチャード・ギングラス氏は、「(Google ニュースの)サービスを終了することは望ましくない」とサービス終了は最善の策ではないとしています。しかし、ギングラス氏はEUのリンク税によってGoogle ニュースの将来が大きく変わってくる可能性を認めており、「最終的にEUの改正著作権法が決まるまでは決断を下すことはできない」とも述べています。

ギングラス氏は2014年にスペイン政府がリンクに対する著作権料の支払いをGoogleに求めてきた際を引き合いに出し、当時と同じような対応を取る可能性も認めています。当時、スペインでは新聞社の苦境などをみかねた政府が、ニュースサイト上のリンクに著作権料を支払うことを義務付ける法案を可決しました。その際、Googleはスペインで提供していたGoogle ニュースのサービスを終了するという形で対応しているため、EUでもリンク税が導入されれば最終的にサービスを終了せざるを得ない状況になる可能性はあるというわけ。

ヨーロッパで起きているリンクに著作権料を求める動きについて、ギングラス氏は「ヨーロッパで起きていることは嫌いだ」とコメント。さらに、「今我々がしたいのは、ステークホルダーとの仕事です」と語り、利害関係の生じる企業と直接やり取りを行うことを望んでいるとしています。


しかし、伝統的な新聞社などがGoogleと関係を構築するのは非常に難しいものである、とThe Guardianは指摘しています。なぜなら、新聞社の広告収入の大部分をGoogleが吸い上げてしまったからです。しかし、一般ユーザーの多くが日々のニュースのチェックをGoogle ニュースに依存しているため、Googleから数百万人もの読者が各ウェブサイト側に送り込まれており、各メディアの収入増加にGoogleが一役買っているということも事実であるとのこと。

GoogleはEUのリンク税と、アップロードされるコンテンツが著作権侵害物でないかをチェックするシステムの導入を義務付ける改正著作権法13条「コンテンツ認識システム義務化」に対して反対の立場を明確に示しており、懸命にロビー活動を続けています。なぜGoogleが13条にも反対しているのかというと、GoogleのサービスのひとつであるYouTubeのようなサービスに著作権を侵害するコンテンツがアップロードされると、YouTube側に著作権料の支払いが命じられることになってしまうためです。


EUには5億人もの見込みユーザーが存在しているとのことで、この膨大な数のユーザーからのアクセスをみすみす逃すようなことをGoogleやFacebookといった大手IT企業たちは良しとしていません。そのため、GoogleはEUおよびEU加盟国に改正著作権法が承認される前に影響を与えたいと考えているとのことで、そのために多くのロビー活動を中心に対策を講じている模様。なお、イギリスは2019年3月29日をもってEUから正式に離脱することとなりますが、それまでに改正著作権法が導入されることとなれば、イギリスでも法律の対象になる可能性が高いとのことです。

ギングラス氏はGoogle ニュースはGoogleの利益を上げるためのビジネスではないこと、さらに多くのユーザーがGoogle ニュースを使用していることを強調しており、「Google ニュース上に広告はありません。Googleの収益を生み出すためのサービスではないのです。我々はGoogle ニュースは社会への奉仕のひとつとして価値のあるものと考えており、人々が所有する財産の一部であると考え、誇りをもって運営しています」と語っています。

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