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新型コロナウイルスに感染した美容師が139人の客と6人の同僚に「ウイルスを移さなかった」ことが判明、その決め手とは?


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)だと診断されたアメリカの美容師2名が、COVID-19の症状が出た後も勤務を続けていたにもかかわらず、接客した139人の客と6人の同僚に「ウイルスを移さなかった」という事例が明らかになりました。

Absence of Apparent Transmission of SARS-CoV-2 from Two Stylists After Exposure at a Hair Salon with a Universal Face Covering Policy — Springfield, Missouri, May 2020 | MMWR
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/69/wr/mm6928e2.htm

Hairstylists with COVID-19 didn't infect any of their 139 clients. Face masks may be why. | Live Science
https://www.livescience.com/hair-stylists-infected-covid19-face-masks.html

2020年5月12日、アメリカのミズーリ州グリーン郡スプリングフィールドにあるヘアサロンに勤務する美容師1人が呼吸器症状を発症し、同僚1人も3日後に同様の呼吸器症状を発症。2人は5月20日に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)だと診断されましたが、診断結果が判明した日まで勤務を継続していました。

この事態を受け、2人が症状発覚後に接客した139人と同僚6人に対し、州の保健当局が無料の新型コロナウイルス検査を提供したところ、計67名(48.2%)が検査を受診しました。しかし、全ての検査結果は陰性で、さらに2週間後に全関係者に聞き取り調査を実施したところ、COVID-19の症状を呈した人がいなかったことから、ミズーリ州グリーン郡保健局は、「問題の美容師2人は客139人と同僚6人の計145人にCOVID-19を移さなかった」と結論付けました。


美容師は手の届く距離にまで客と接近するため、新型コロナウイルスを感染させる確率が高い職業だと考えられていましたが、今回の検査結果は予想を覆すものでした。この原因について、アメリカ疾病予防管理センターに掲載された報告は、美容師2人が勤務していたヘアサロンが実施していた「COVID-19対策」が明暗を分けたと分析しています。

2人が勤務していたヘアサロンは、待合室の待機人数を通常の25%にまで減らし、座席同士の間隔を広くとり、さらに美容師と客の両方にフェイスマスクを着用することを義務づけていました。実際に問題の客に聞き取り調査を行ったところ、回答に協力した104人のうち、「ヘアカット中に自分のマスクを外さなかった」と答えた人は102人(98.1%)、「ヘアカット中に、美容師がマスクを外さなかった」と答えた人は101人(97.1%)に達したとのことで、美容室で「マスクの着用」がしっかりと維持されていたことが示唆されました。


一方、1人目の美容師は同居している夫・娘、義理の息子・ルームメイトの4人にCOVID-19を移していたことも判明しました。勤務しているヘアサロンと家庭でCOVID-19の感染状況が違った点について、論文著者らは「特に社会的距離を取ることができない場合において、新型コロナウイルスの拡散を減らすためにマスクを着用することを支持する結果です」と指摘。グリーン郡保健局のクレイ・ゴダード局長は「COVID-19対策としてのマスクの価値に関するエキサイティングなニュースです」とコメントしました。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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