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WHOがついに「一般市民のマスクの着用」を推奨、新型コロナウイルスの拡散を防ぐと認める


2020年6月5日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対策について布マスクを非推奨としてきた世界保健機関(WHO)が方針を一転、一般市民に対して布マスクを広く着用するように推奨しました。

When and how to use masks
https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/advice-for-public/when-and-how-to-use-masks

Here’s what WHO says your mask should have to prevent COVID-19 spread | Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2020/06/who-now-recommends-the-public-use-masks-good-masks-in-covid-19-areas/

マスクは日本では広く受け入れられている感染症対策ですが、これまでのWHOの見解は異なります。WHOは2020年4月6日に「(PDFファイル)マスク利用に関するガイドライン」を更新した際に、「非医療用マスクとして知られる布マスクなどを地域社会で使用することは、十分に評価されていません。現状ではマスクの使用を推奨するにも否定するにも十分なだけの証拠がありません」と追記。「非医療用マスクが感染を予防できるという根拠はない」という見解を打ち出していました。

しかし、2020年6月5日の更新において、WHOは主張を一転。「新型コロナウイルスが広く流行しており、6フィート(約1.8メートル)以上の社会的距離の確保が不可能ないし困難な場合には、手作りまたは市販の布製マスクの着用を推奨します」と発表しました。


ただし、この発表には「現時点では、健康な人たちがマスクを広く使用することの効果は信頼できる証拠や直接的な科学的根拠に裏付けられておらず、考慮すべき潜在的な利点と弊害があると考えられます」と記されており、あくまで「一般市民がマスクを着用することの有効性を示す確固たる証拠はまだ存在していない」と説明しています。

WHOのテドロス・アダノム事務総長も2020年6月5日に実施された記者会見の中で、「マスクだけではCOVID-19から身を守ることはできません」と言及。「マスクは社会的距離の確保や手指消毒、その他の公衆衛生対策の代わりにはなり得ません」「マスクはCOVID-19との戦いにおける、包括的なアプローチの一部としてのみ有効です」と述べて、社会的距離の確保や手指消毒などの重要性が失われたわけではないという点を改めて強調しています。


また、6月5日の更新に際してWHOは「布マスクの正しい着用方法」というムービーも公開。これまでの研究に基づいた、感染確率を減らすマスクの着用方法を説明しています。

How to wear a fabric mask - YouTube


布マスクは外側が「防水生地」、その内側に「吸水生地」「フィルター」の3層構造になっているものが望ましいとのこと。


布マスクを着用する際には、手指消毒用アルコールをつけて20~30秒間手をこする、ないしは石けんで40~60秒間手を洗って、手指をしっかり消毒しておきます。


布マスクに汚れなどが付着していないかを確認した後、鼻・口・顎を覆うようにマスクを装着。布マスクと皮膚の間に隙間が空かないように、布マスクを肌にピタッと貼り付けます。


ウイルス汚染を避けるため、着用後は手で布マスクを触らないようにします。


医療用マスクを着用する際の解説が以下。日本の薬局などで花粉やウイルス対策として販売されているマスクも医療用マスクに該当します。

How to wear a medical mask - YouTube


注意すべきポイントは布マスクと同様ですが、医療用マスクは上下や裏表がある点が布マスクと異なります。医療用マスクは鼻に接着する箇所にワイヤー(ノーズフィッター)が入っているので、上下を確認してから装着します。


WHOいわく、医療用マスクは一般的に「色が白くなっている面が口に当てる側」とのこと。なお、メーカーによって口に当てるべき面の色や作りは異なるので、注意してください。


医療用マスクを装着後は、ワイヤーを鼻の形に沿うように押し当てます。


さらに、WHOは自分で布マスクを作成する際の「生地」についても言及しています。WHOによると、布マスク用の生地には「Q」というフィルターとしての品質係数が重要とのこと。このQは値が高いほどろ過と通気性の両面に優れます。以下の表を見ると、「Polypropylene(ポリプロピレン)」「Cotton(コットン)」「Polyester(ポリエステル)」などの生地はQの数値が高く、布マスクとして優れていることがわかります。WHOによると、「Qが3以上」の生地の使用が推奨されています。


生地を折りたたんだ場合には、ろ過効果が2倍~5倍になるそうで、WHOはフィルターとして使う生地を折りたたむように推奨しています。ただし、Qの数値が低いコットン製のハンカチを4回折りたたんでもろ過効果は13%にしかならないとWHOは記しており、折りたたむ場合でも生地自体のQが重要だと説明しています。

この主張の変化は、この1カ月で発表された新しい研究によるものです。WHOは最新のガイドラインは最新のデータに基づいていることを強調しています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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