動画

マスクは新型コロナウイルス感染症の予防に実際どれほど役立つのか?


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行する中、マスクの買い占めが社会問題になったり、日本政府がマスクを1世帯あたり2枚配布したりと、「マスク」に注目が集まっています。海外ニュースメディアのVoxが、「マスクの本当の効能」について解説しています。

What face masks actually do against coronavirus - YouTube


以下の画像は、ドイツの研究チームが鏡を使った特殊な撮影技術で「空気の流れ」を捉えた映像を切り取ったもの。


人が息をすると、正面やや下側に粒子が吐き出されることが空気の流れからわかります。


せきをした場合は、口から粒子が遠く、速く放たれます。


手の甲にせきをした場合はこんな感じ。


肘で口元を覆ってせきをした場合が以下。


Dust mask(防じんマスク)とSurgical mask(医療用マスク)をしてせきをした場合が以下。医療用マスクをすると口から放たれる粒子を抑えられることがわかります。


それぞれをズラッと並べて比較するとこんな感じ。マスクをしていない状態に比べて、マスクをしていると口から放たれる粒子の飛距離が短くなることが明白です。


「外出時にいつもマスクを着用すべきかどうか」はいまだ議論が存在していますが、専門家の意見が一致している点もあります。それは「あなたが病気で外出しなければならないならば、マスクを着用すべき」という点です。マスクを着用すると、着用者から放たれる病原菌の量を減らすことができます。


マスクについて意見が分かれているのは、「健康な人も着用すべきなのか?」という点。


しかし、新型コロナウイルスに感染している人としていない人の違いは、想像以上に複雑です。


新型コロナウイルスに感染したとしても、平均して5日間から6日間、最長で14日間も潜伏期間が持続します。この潜伏期間にも、新型コロナウイルスは他人に感染します。


また現時点で判明している事実として、新型コロナウイルスに感染した25%の人が無症状病原体保有者です。無症状病原体保有者は新型コロナウイルスの病状を示しませんが、体内に新型コロナウイルスを有しているため、新型コロナウイルスを他人に移します。


すなわち、「自分は健康だ」と思っていても、無症状病原体保有者である可能性があるということです。


イェール大学で公衆衛生について教えるShan Soe-Lin氏と、同じくイェール大学の伝染病の専門家であるRobert Hecht教授は「自分の健康のためではなく、家族や他人などの周囲の人々の健康を思えば、みんながマスクをすることが望ましい」と主張しています。


一方で、「感染を100%防ぐマスクは存在しない」ということも理解しておくべきポイント。


マスクは重要な保護対策のあくまで1つです。マスク以外に重要な保護対策は「社会的距離をとること」と「手洗い」です。全ての保護対策を行っても「完全に新型コロナウイルスを防げる」というわけではありませんが、感染の確率をグッと引き下げることができます。


なぜこれらの保護対策が重要なのかを知るには、「新型コロナウイルスがどのようにヒトからヒトに感染するか」を理解することが重要です。新型コロナウイルスの感染方法その1は、「汚染された物体の表面を触った後に、その手で自分の顔を触る」というもの。


この種の感染を防ぐには手洗いが最も重要ですが、マスクを着用すると顔を触る回数が減るため、マスクの着用も効果があります。


2つ目の感染方法は、「感染者が放った粒子から直接感染する」というもの。


くしゃみなどで口から出た粒子を介した感染もこの感染方法に該当します。


この種の感染を防ぐには社会的距離を取ることが重要ですが、くしゃみなどで放たれる液滴のうち大きな液滴を防いでくれるマスクも重要です。


社会的距離を取れないような職業などでは、マスクがより重要になります。


くしゃみなどで口から放たれた液滴のうち、小さいものはエアロゾルとなってより遠くに届きます。口から放たれたエアロゾルから新型コロナウイルスに感染するかどうかはいまだ不明ですが、専門家は可能性があるとみています。


エアロゾルすら通さないマスクは、「N95マスク」と呼ばれています。95という数値は、エアロゾルの95%を捕集できることを表しています。


N95マスクの多くは、鼻と口を隙間なく密閉可能です。


しかし、このN95マスクはアメリカの多くの医療機関で不足しています。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)が「N95マスクや医療用マスクを着用すべきではありません」と一般向けに発表しているのは、医療機関でN95マスクや医療用マスクが不足していることが理由。


CDCはバンダナやTシャツなどから布マスクを自作することを推奨しています。Soe-Lin氏とHecht教授は、自作マスクを毎晩洗うことを推奨しています。


マスクはCOVID-19の予防に役立ちますが、100%予防できるというわけではありません。そして、マスクは自分の感染を予防するよりも、「自分から他人に移す」ということを予防するのに重要です。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
布マスクの着用方法とバリエーション豊富な作り方をアメリカ疾病予防管理センターが公開 - GIGAZINE

「くしゃみ・せきなどで放たれる微粒子が屋内でどのように拡散するか」をわかりやすく示したムービー - GIGAZINE

WHOは布マスクを非推奨、結局マスクは着用すべきなのか否かを研究論文や研究者の意見を基に解説 - GIGAZINE

世界的なマスク不足に対して医療用マスクメーカーが「不眠不休によるマスクの増産」をしない理由とは? - GIGAZINE

マスクの製造は想像よりも難しい、その理由は? - GIGAZINE

in 動画, Posted by log1k_iy

You can read the machine translated English article here.