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Googleが大西洋を横断してアメリカとヨーロッパを結ぶ海底ケーブル「Grace Hopper」の敷設を発表


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによってリモートワークやオンライン授業への移行が進んでおり、インターネットで動画を見たり遠距離の友人とリモート飲みをしたりして余暇を過ごす人も増えています。生活におけるインターネットの重要性が高まる中、Googleは大西洋を横断してアメリカとイギリス、スペインを結ぶ海底ケーブル「Grace Hopper」を敷設すると発表しました。

Announcing Google’s Grace Hopper subsea cable system | Google Cloud Blog
https://cloud.google.com/blog/products/infrastructure/announcing-googles-grace-hopper-subsea-cable-system

Google To Build New Transatlantic Data Cable
https://www.androidheadlines.com/2020/07/google-to-build-new-transatlantic-data-cable.html

検索サービスやクラウドサービスなどさまざまなインターネットサービスを提供するGoogleは、以前から世界のインターネット網の発展を進めるため、海底ケーブルの敷設を進めてきました。2019年にはアメリカと南米を結ぶ「Curie」の設置が完了しているほか、アメリカとフランスを結ぶ海底ケーブルの「Dunant」、ポルトガルと南アフリカを結ぶ「Equiano」の設置が予定されています。

新たにGoogleが発表した「Grace Hopper」は、大西洋を横断してアメリカとイギリス、スペインを結ぶ海底ケーブルです。「Grace Hopper」という名称は、プログラミング言語「COBOL」の開発者としても知られるアメリカの軍人・計算機科学者のグレース・ホッパー氏にちなんで名付けられたもの。

「Grace Hopper」の詳細については、以下のムービーを見るとよくわかります。

Announcing the Grace Hopper subsea cable - YouTube


「クラウドが海底にあることを知っていますか?」と語るのは、Googleでグローバルネットワーキング部門のヴァイス・プレジデントを務めるBikash Koley氏。


大陸間をつなぐ光ファイバーケーブルは海底に敷設されており、国際的なインターネットトラフィックの98%は海底ケーブルによって送受信されているとのこと。


COVID-19のパンデミックによってインターネットを通じた情報の送受信はかつてないほど重要性を増しており、信頼性の高いインターネット接続を整備することは重要です。


そこでGoogleはアメリカのニューヨーク、イギリスのビュード、スペインのビルバオを結ぶ海底ケーブル「Grace Hopper」の敷設を発表しました。


Googleで戦略ネゴシエーターを務めるJayne Stowell氏は「Grace Hopper」という名称について、コンピューターサイエンスのパイオニアである女性のグレース・ホッパー氏にちなんで名付けられたものだと説明。過去にGoogleが発表した「Curie」「Dunant」「Equiano」も、放射線の研究で有名なマリ・キュリー、赤十字の創設者であるアンリ・デュナン、著名な解放奴隷であるオラウダ・イクイアーノといった偉人にちなんだ名称となっています。


新たな海底ケーブルの敷設により、ユーザーはより回復力と信頼性が高いインターネットの恩恵を得られるとのこと。


「Grace Hopper」は「Curie」「Dunant」「Equiano」といった他の海底ケーブルとも接続される予定です。


「Grace Hopper」では2本の組み合わせが16ペア、合計で32本のケーブルが備えられており、グローバルな通信の信頼性を従来以上に高めることができるとのこと。


ケーブル数の増加により、需要の変化や接続に問題が起きた場合に対処しやすくなるとKoley氏は説明しています。


「Grace Hopper」は2022年に完成する予定となっており、イギリスやスペインを通じて他のヨーロッパ諸国へも接続されます。


また、ポルトガルからアフリカ大陸へと伸びる「Equiano」にも接続されます。


大西洋の海底ケーブル網を充実させることで、Googleのサービスがより強化されるとStowell氏は述べました。

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in ネットサービス,   ハードウェア,   動画, Posted by log1h_ik

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