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海底光ファイバーケーブルを含めた全通信の集団監視をしていたことを南アフリカ当局が認める

by Arno Smit

世界各国との通信を支えるため、海底にはあちこちに光ファイバーケーブルが張り巡らされていて、2019年時点でもGoogleが絶海の孤島にケーブルを設置するなど、その本数は増えています。このケーブルを巡っては盗聴の対象となっていることが指摘されてきましたが、南アフリカ共和国では国家安全保障局がすべての通信に対する集団監視を行っていたことが判明しています。

South African authorities admit to mass surveillance
https://www.iafrikan.com/2019/09/02/south-africa-mass-surveillance-spying-undersea-fiber-cables/


集団監視の事実は、南アフリカ共和国の非営利調査ジャーナリズム組織であるamaBhunganeにまつわる訴訟で、アーサー・フレイザー前国家安全保障局長の宣誓供述書や提出された文書から明らかになりました。さらなる調査によって、監視の開始は2008年にまでさかのぼることがわかっています。

宣誓供述書の中で、国家安全保障局は「シギント(通信傍受)は国家情報優先権により通知されるもので、組織犯罪やテロ関連活動の情報も含まれる。また、監視は食料や水の安全保障、違法な金の流れなどの分野を扱う」と表現しました。


また、プライバシーの権利を守る団体・Privacy Internationalにより、南アフリカ政府が海底に敷設されている光ファイバーケーブルの盗聴を行い、インターネットトラフィックを大量傍受していることも指摘されています。

国家安全保障局は通信傍受について「南アフリカの国家安全保障上、脅威であるから」と正当性を主張していますが、光ファイバーケーブルを通っているトラフィックがどこに向けたものか判断するには人間が介入する必要があり、憲法違反にあたる「許可なしの通信傍受」に当たるとみられます。

国家安全保障局は、こうした集団監視とデータ収集は「世界的に慣習的に行われていること」と述べており、実際、海底ケーブルを巡って「盗聴戦争」が行われていることが知られているので、世の中を行き交うネットトラフィックはどこかの諜報機関などに盗聴されているのが当たり前となっているのかもしれません。

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in メモ, Posted by logc_nt

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